イスラエルの底力。それは防衛力だけでなく、ユダヤ人の発想と起業力にもある。テロがあろうが戦争があろうが、それもダシにして、次々に新しい考え方や発明が生まれる。それが起業され、世界の大手企業が、億万を出して購入していく。
そうしたスタートアップ企業と大手投資家を結ぶ情報網を運営しているのが、CEOのジョナサン・メドベッド氏が立ち上げた”Our Crowd”というイスラエルの投資ネットワークのシステムである。
2013年に設立されてから今年で5年だが、すでに145の企業に対し、6億5000万ドル(700億円以上)の投資を成功させた。12の基金も立ち上げた。フォーブス誌によると、これは、この部類のビジネスでは、世界最大規模だという。
Our Crowd は、毎年エルサレムでサミットを開催する。今年は2月8日に開催された。これまでで最大で、90カ国から1万人もの企業や投資家が集まった。ここで、様々なスタートアップ会社や企業の新しいアイディアや技術が披露され、新しいコンタクトが生まれる。
こうしたカンファレンスが、テルアビブではなくエルサレムでというのも注目される。元ビジネスマンのバルカット市長と、Our Crowd のCEOジョナサン・メドベッド氏とバルカット市長は親しい友人だという。カンファレンスでは、バルカット市長もスピーチを行った。
Our Crowd カンファレンス2018 summit.ourcrowd.com
メドベッド氏によると、アジア市場も開かれつつあるとのことだが、そのほとんどの投資家は中国からだという。日本はと聞くと、日本は、安倍首相の新しい方針で、イスラエルへの投資への注目が始まったが、今はまだ中国、韓国、台湾にすら追いついていないと言われた。
しかし、日本は「今起き始めているジャイアンツだ」と考えているとメドベッド氏。確かに最近、日本からも、ビジネスマンたちが招かれるなどして、イスラエルに来始めているようである。急にガイドを頼まれる機会が、出始めている。
世界では、イスラエル製品をボイコットする傾向にあるが、メドベッド氏は、大きく首を振り、「世界はイスラエルの技術力を求めている。」と語った。 注)実際に困っている企業もあるので一概には言えないと思われる。
こうしてみると、イスラエルは貧しいのか、そうでないのか、混乱する人も出てくるかもしれないが、「あるところにはある」のであって、やはりない人はないと考えていただければと思う。
経済に素人の筆者などは、投資を受けた企業からの税金で、イスラエル政府もがっぽりもらっているのではないかと思うが、そこはよくわからないところ。
<石のひとりごと>
このカンファレンスに出るたび、お金と儲け話ばかりで、最終的には若干うんざりもするが、それでも、イスラエルを経済的に大きく祝福していることにはちがいない。メドベッド氏は多くのイスラエル人起業家を裕福にし、またあらたな起業の機会を与えることにもなっている。
日本のクリスチャンの中からもビジネスマンとなって成功し、教会や町、日本国を、経済的にも祝福する若者が現れてもよいかなと思った。