ヒズボラがイスラエル北部へロケット弾30発:IDFがヒズボラ高官殺害への反発と 2024.2.9

メロン山に着弾するロケット弾https://www.ynetnews.com/article/rynkohfoa#autoplay

イスラエル北部国境をはさんでヒズボラと、攻撃、反撃のサイクルが続いている。イスラエルとヒズボラの攻撃の応酬。どちらが先かもうわからなくなっている。北部での全面戦争への移行が懸念される中、両者の攻撃はエスカレートしつつある。

ヒズボラの攻撃でIDF3人負傷

8日、イスラエル北部キリアットシモナ、メトゥラ、ヘルモン山への対戦車砲が撃ち込まれた。

メトゥラでは、住宅にも直撃したが、幸い市民への負傷者なかった。北部国境周辺では、一部を除き、住民のほとんどは避難している。しかし、キリアットシモナ周辺では、軍事基地付近に着弾し、イスラエル兵1人が重傷、2人が軽傷となった。

イスラエルは直ちに、レバノン南部の町カイム(イスラエルとの国境から6キロ)へ、ドローンによる反撃を実施した。イスラエルによると、レバノンから発射されるロケット弾の1/6はカイムからだという。イスラエルは、カイムのヒズボラ関連のビルを攻撃。レバノンのメディアは、市民1人が死亡。2人が負傷したと伝えている。

www.timesofisrael.com/officer-seriously-wounded-2-troops-lightly-hurt-in-hezbollah-missile-attack/

イスラエルの攻撃でヒズボラ司令官級?2人死亡

これに対し、イスラエルは、南レバノンのナバティア(国境から11キロ)でも、走行中の車をドローンで攻撃。ヒズボラ司令官レベルの2人が、重傷となり、後に死亡したもようである。

このうちの一人は、イラン革命防衛隊と繋がりのアル・デベスではないかとみられている。イスラエル軍はこのほかにも武器を搬送していたトラックへの攻撃も行なっていた。

ヒズボラから上ガリラヤへロケット弾30発

Rockets fired from southern Lebanon are intercepted above a position across the border near Kibbutz Dan in northern Israel on November 7, 2023. (Jalaa Marey/AFP)

これに対し、9日、上ガリラヤ地方へ、30発ものロケット弾が発射され、サイレンが鳴り響いた。被害は報告されていない。ヒズボラは、上記ナバティアでイスラエルがヒズボラ司令官への攻撃を行なったことへの反撃だと発表した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hezbollah-barrage-consisted-of-30-rockets-no-immediate-reports-of-injuries-idf-responding-with-artillery-fire/

8日、威嚇のためか、レバノンの首都ベイルート上空で、イスラエルの戦闘機が目撃されていた。イスラエル軍のバル空軍司令官は、「イスラエルはレバノン上空に、戦闘機を配備しており、何かあれば、すぐに数十機が動く準備がある。その数は、すぐに100機レベルになる。」と空軍作戦会議で報告していたとのこと。

www.timesofisrael.com/top-hezbollah-commander-hit-in-apparent-israeli-strike-as-air-force-head-threatens-more/

イスラエルは、南部ガザを長く放置していたことで、ハマスに大変な地下トンネルシステムを完成させてしまったという痛い経験をさせられた。こうなると、同じ失敗を北部で繰り返すわけにはいかないのだろう。北部も危ないと言いながら実質的には、放置してきたため、レバノン南部にかなりのヒズボラの軍事拠点があるとみられている。

イスラエルのワイナリー危機:レバノンの経済への影響も膨大

イスラエル北部といえば、著名なゴラン高原ワイナリーなど有名なワイナリーがあり葡萄畑が広がっている。

危険であるため、農家は週に2回しか畑に行けないという。予備役兵にとられて、マンパワー不足でもある。

今なっている葡萄は、3月末ぐらいまでに収穫しないと使えなくなってしまう。全面戦争が今、勃発すれば、その被害は、はかりしれないものがある。イスラエルの調査団体が11月に、389の農家に対して行なった調査によると、全体の35%が、減収になっていると報告していた。

www.timesofisrael.com/wineries-near-lebanon-fear-harvest-failure-as-war-with-hezbollah-looms/

一方、レバノン紙によると、レバノンでもこの戦争ですでに12億ドルの損失があったと報じている。戦争で、学校や企業が閉鎖を余儀なくされているからである。

石のひとりごと

戦争は愚かであるだけなのに、だれも望んでないのに、戦争は始まってしまい、一旦はじまると止められない。どちらかが勝って、どちらかが負けることが明確になるまで、つまりは破壊尽くすまでやめられないのである

両者よりも強い何かが介入しなければならないのだが、誰がその役割を担えるのか。見えない状況である。

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。