月曜、イスラエル軍は、ガザ地区からイスラエル領内へ数十メートル、エシュコル地方に続く地下トンネルを発見したと発表した。イスラエル領内にまで続くトンネルが発見されたのは、2014年のガザとの戦争以来である。
イスラエル軍によると、このトンネルは10日ほど前に発見され、構造などの情報収集が行われていた。情報がこれまで伏せられていたのは、うわさによるパニックを避けるためだったという。
今回発見されたトンネルは、ジグザグに掘られ、深さも30m。これまでにない技術が使われていると推察されている。
内部に武器は発見されなかったことから、大きな攻撃用ではなく、イスラエル領内でイスラエル兵を誘拐するといった作戦に使う予定だったのではないかとみられている。
トンネルが発見された事を受けて、ハマスは「それは大きなバケツの中の一滴だ。時がくればすべてが明らかになる。」と、トンネルがまだ他にも多数あることを示唆し、脅迫している。
今後の可能性としては、ハマスが、多数のトンネルを通じてイスラエル領内へ侵入してガザ周辺のイスラエル領地域を占領し、イスラエル兵や市民の人質をとる作戦に出ることも考えられる。
しかし、イスラエル軍は、ガザではトンネル建設中の事故が相次いでいることもあり、今の所ハマスは、イスラエルとの大きな衝突をする用意はないとみている。
ネタニヤフ首相も、イスラエル軍が、新しい技術で、トンネルを把握しているとして、ガザ地区周辺の住民には心配無用と語っている。
イスラエル軍は月曜、ガザ地区復興のために許可していた建築物資のガザへの搬入を停止した。それらがトンネル建設に使用されているからである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4793038,00.html
<ハマスがガザ市民5人を処刑へ>
ハマスは、トンネル発見について、イスラエルがガザの市民をスパイとして利用したと非難していた。月曜、ハマスは、イスラエルに協力したとしてガザ市民(男性)5人に死刑を宣告した。
判決によると、4人は絞首刑、1人は銃殺されることになっている。5人はそれぞれ2008年や2010年から継続して、イスラエルにハマス高官の居場所やトンネルの位置に関する情報を流していたと訴えられている。
ハマスが、こうした”裏切り者”を処刑するのは初めてではない。2014年のイスラエルとの戦争中にも、イスラエルとの協力者だとしてガザ市民の処刑を行っている。