ハマスからロケット弾・イスラエルは戦闘再開を宣言:ブリンケン米国務長官訪問中 2023.12.1

December 1, 2023. (John MACDOUGALL / AFP)

ガザからロケット弾:イスラエルは戦闘再開を宣言

ハマスとイスラエルの間では、8日目の休戦についての交渉がつづいていたが、ついにハマスは、帰還させる人質の名簿を出さすことがないまま、休戦の期限である朝7時(日本時間午後2時)を迎えた。さらには、その直前からは、ガザ国境、スデロットへもロケット弾が発射され、サイレンがなる事態となった。

これを受けて、イスラエルは、ガザ市や、ガザ南部カンユニス近くへの空爆を開始。約1時間半後、ハマスは、ラファ近くへの空爆で、パレスチナ人3人が死亡したと発表した。ハマスは、アメリカがイスラエルに戦闘再開を後押ししたと避難している。

イスラエルの首相府は、朝8時40分、「ハマスーISISは、今日、全ての女性と子供を引き渡すという約束を守らず、かつ、イスラエルへの攻撃を実施した。これにより、イスラエルは、全ての人質をとりもどすことと、イスラエル市民の脅威に2度とならないようにハマスを殲滅するという目標に向かって戦闘を再開する。」との声明を発表した。

イスラエル側でも、ガザ周辺へのロケット攻撃とサイレンが散発している。国内戦線司令部は、ガザ国境と北部国境エリアにいる人々への集会制限などの指示を出した。

www.jpost.com/arab-israeli-conflict/article-776021

ブリンケン米国務長官のイスラエルへの支援と警告

Amos Ben-Gershom (GPO)

ブリンケン国務長官は、休戦が続く中で、イスラエルとパレスチナ自治政府のアッバス議長を訪問している。ブリンケン国務長官は、戦時内閣と面談。また、戦時内閣とは別に、ネタニヤフ首相、ヘルツォグ大統領、ギャランと防衛相、ガンツ元IDF参謀総長、ラピード野党代表とも会談した。

イスラエルへのメッセージの大枠は以下の通り。(以下は、戦争が再開される直前のこと)

1)アメリカはイスラエルがハマスと戦う権利を認めるが、戦争は何ヶ月も続けることはできない

ブリンケン国務長官がイスラエルを来訪し、戦時内閣と面談。エルサレムでのテロが発生したこともあり、ハマスは亡き者にしなければならないという点では、イスラエルに合意した。イスラエルがハマスとの戦争を再開した場合は、それを早く終わらせるためにも、アメリカはそれを軍事的に支援する用意があるとも語った。

しかし、国際社会と国内では左派勢が、ガザ民間人の死者が1万5000人を超えているために、バイデン政権に戦争停止への圧力を強めており、このまま戦争を何ヶ月も支援し続けることはできないと語った。

アメリカはハマスが民間人を盾にしており、イスラエルが、彼らの犠牲を防ぐために最大限のことをしてきたことを認めている。

しかし、今、難民が流れ込んでいるガザ南部に対し、北部でしたような大規模な攻撃をして、多数の民間人の死者が出ることは絶対に避けなければならない。また、先に北部でしたように、南部からの強制避難や、インフラへの攻撃も避けなければならない。永続的な難民をだしてはならないと釘を刺した。

2)パレスチナ人の国家建設に向けた実質的な方策を提示すべき

バイデン大統領は戦争が終わったあとにどうするかについても言及。バイデン大統領が強調しているように、パレスチナ人の国家設立が不可欠だとして、それにむかっての実質的な提案をだすべきであると語った。

また特に西岸地区でパレスチナ人への襲撃を続けている過激右派ユダヤ人入植者をしっかり取り締まるようにと語った。入植者たちの脅迫で、自宅から避難せざるを得なくなっているパレスチナ人は1000人に上っている。アメリカは、こうした過激入植者たちへのビザ発行を停止したとのこと。

*ブリンケン国務長官とアッバス議長との会談

November 30, 2023. (Saul Loeb/Pool/AFP)

イスラエルの戦時内閣との話し合いの前の昨日、ブリンケン国務長官は、ラマラのアッバス議長を訪問。アッバス議長は、過激ユダヤ人入植者のとりしまりが急務だと訴えた。またガザでの停戦と、人道支援を加速する必要を訴えた。

www.timesofisrael.com/blinken-said-to-warn-war-cabinet-it-may-not-have-months-to-topple-hamas/

ブリンケン国務長官はこの後、UAEでのCOP28に出席し、アラブ諸国指導者たちと、ガザ地区の今後について話し合う予定である。なお、COP28では、ヘルツォグ大統領がイスラエルの立場を表明することになっている。

石のひとりごと

アメリカの態度は、なんとも微妙だったかもしれない。ハマスは、これをイスラエルの背中を押したととったようである。

こうなった以上、残っている人質の無事と救出、ヒズボラやフーシ派が出てこないうちに、1日も早く、民間人犠牲者が1人でもでないうちに、ハマス殲滅が終わるようにと祈る。

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。