シナイ半島で”イスラム国”大暴れ!?反エジプト政府テロ:27人死亡 2015.1.30

www.bbc.com/news/world-middle-east-31052064?ocid=global_bbccom_email_30012015_top+news+stories

エジプトではシーシ大統領が、ハマスを含むムスリム同胞団やスンニ派過激派グループ(イスラム国傘下を主張)の激しい弾圧を行っている。

最近では、武器の密輸を防ぐため、ガザとの国境に1キロもの緩衝地帯を強硬的に設置。この時に、その地域に住んでいたベドウインとガザのパレスチナ人多数が犠牲となり、家を失った。

こうした状況を受けて、スンニ派過激派らは、シーシ大統領と、エジプト軍や政府関係機関に対し、テロを繰り返しては軍に弾圧される繰り返しとなっている。

1月29日は、エジプトで、「アラブの春」が勃発した記念日だった。これを機に、スンニ派過激派らが、シナイ半島にいたエジプト軍やエジプト警察、駐屯地、検問所、ホテルなど様々な地点を、車両爆弾などで一斉に襲撃。これまでに少なくとも27人が死亡。36人が負傷している。

シナイ半島にいるスンニ派過激派グループは、これまではアルカイダ系と言っていたが、最近では、イスラム国の傘下にあると主張している。今回、複数の地点での同時テロを成功させ、計画性が見えることからイスラム国の関与ではないかと注目されている。

<日本のエジプト支援が人道支援だけですまされない理由>

エジプト政府が行っている過激派の弾圧は、裁判もなしに、逮捕から間もなく死刑に処すなど人権無視とも言える部分が多々指摘されている。しかし、過激派討伐という大義名分により、世界はエジプトの弾圧に事実上、目をつぶる形となっている。

日本の安倍首相も、今回、こうしたエジプト政府の行為には全く触れず、無条件に支援を申し出た。イスラム国が、日本の支援が人道支援だけではなく、彼らに対する戦闘行為だと言っているのはこういう背景からである。

*追記
記事は、中東の事情を伝えるもので、エジプトの政策や、日本の安倍政権を批判するものではありません。
平和の実現と世界貢献にはリスクが伴います。シーシ大統領が目指すエジプトの平和、安倍首相が進める日本が世界に貢献する国になるというビジョンが達成することを願っています。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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