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パレスチナ自治区感染者106人:移動制限実施中
現時点で、パレスチナ自治区の感染者は、106人。死者は1人。自治政府は、イスラエルと入植地で働いていた人々が感染しているとして、イスラエルにいるパレスチナ人約15万人に、自治区へ戻るよう呼びかけている。しかし、実際に戻った人がどのぐらいいるかは不明。
ガザ地区の感染者は少なくとも9人だが、検査していないだけなので、感染者はもっといると思われる。エルサレムポストによると、ガザでは1800人が隔離されている。
以前から、カタールが、ガザに時々現金を供給してきたが、30日、そのカタールからの現金が到着した。ガザの10万以上の家族に、100ドルづつが分配される。配布時に群衆になってもいけないので、2週間にわけて、少しづつ分配するとのこと。
イスラエルは、自治区やガザ地区に、検査キットや医療物資を届けるなどして、支援を行っている。ガザではコロナウイルス感染の危険性を避けるため、イスラエルとの国境でのデモはキャンセルとなっている。
www.ynetnews.com/article/HklDpcJDU
ガザとヘブロンにあるマスク工場
Times of Israel によると、ガザでは、3月初旬から、ウニパル2000(CEO/ナビル・ジャワドさん(59))という衣類の製造会社が、新型コロナ脅威下にある世界のニーズを見て、マスクと防護服作りを始めた。
この会社の衣類は、50年以上前から、テルアビブなど、イスラエル国内でも売っていたという。今は、衣類の製造はやめて、マスクを製造している。マスクは1枚5シェケル(150円)、防護ガウンは12シェケル(400円)
ここからイスラエルにもマスクを売っているかどうか、COGAT(ガザからの人・物資の出入り担当のイスラエル軍部署)は明確な回答はしていないが、服を売っていたのだから、ひょっとして可能性はあるのかもしれない。
この会社では、今月末までに、1日にマスク2万5000枚製造を目指しているとのこと。
一方、ヘブロンでも、靴工場を経営しいたアミジャド・ズガラルさん(30)が、工場を改造し、マスクを製造している。現時点で、1日7000-1万枚製造している。これは西岸地区で必要なマスクの10%だという。
ここでは、医療従事者や警察など公職にはマスク一枚を1.5シェケル(50円)、一般には2シェケル(60円)で売っているという。だいぶ安いが、これまでに労働者を30人増やすことができ、現在は50人が働いている。
ヘブロンでは、現在外出制限が出されているがこの工場は稼働しているとのこと。自治区には、マスク製造会社が2社、その他の医療物資をを4社が製造している。自治政府の産業省は、イスラエルやヨルダンにも輸出する意欲を語っている。
ころんでもただ起きないのは、イスラエル人だけでなく、パレスチナ人ものようである。これまでの敵意はなんだったのかとも思うが、なんにしても、パレスチナ人たちが、職を得られたのはよかったと思う。
石のひとりごと:危機が押し出す和解
写真は、ベエルシェバで、ユダヤ教ユダヤ人と、イスラム教アラブ系イスラエル人救急隊員が、同じ時間に、それぞれの神に祈っている様子である。
イスラエルでは、救急車への出動要請は通常6000件のところ、コロナ危機が始まってからは10万件を超えるようになっているという。ある火曜午後、2人が、シフトに入る40分間、不思議に要請が減って静かになったので、それぞれが祈りに入った。
左のユダヤ教徒は、エルサレムに方角(北)に向かって祈るアブラハム・ミンツさん(43)、右は、メッカ(南)に向かって祈るイスラム教徒のゾハル・アブ・ジャマさん(39)である。2人は忙しさの中、今に限らず、いつも同じ時間にこのように祈っているという。
イスラエルは、ユダヤ人の国ではあるが、20%、10人に2人はアラブ人の国。両者は、確かに相容れない歴史を歩んできたが、日常はそれなりに共存しているのである。
www.nytimes.com/2020/03/25/world/middleeast/israel-virus-prayer.html
この写真は、ニューヨークタイムスや、CNNなど大手メディアのほか、SNSでもいろいろなところからアップされていや。それほどこの写真が人々に希望となったということであろう。
コロナの危機をだれが想像しえただろうか。ここまで世界が変わるとだれが想像しえただろうか。これまでどうしても相容れなかった人々も、この危機を前に、妥協せざるをえなくなるということであろう。