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国際ホロコースト記念日 1月27日
国際司法裁判所(ICJ)が、南アフリカによるイスラエルがガザでジェノサイドを行っているという訴えに対する暫定措置を発表した26日は、国際ホロコースト記念日の前日であった。
国際ホロコースト記念日は、1945年1月27日に旧ソ連軍が、アウシュビッツを解放したことを記念する。この日、旧ソ連軍が到着したときに見たのは、瀕死状態の7000人であった。
その他の囚人数千人は、ソ連軍の到着に先立ち、ナチスによって極寒の中、強制歩行に出され、多くは路上で死亡した。ホロコーストは、ユダヤ人と、欧米社会全体に大きな傷を残している。
国連では、この日をホロコーストの象徴として覚え、同じことが二度と起こらないようにと誓い合うイベントを、毎年行なっている。今年も26日午前中に、国連本部で記念追悼イベントが行われたほか、世界各地でもイベントが行われた。
*以下は国連のイベント
アウシュビッツがあるポーランドでは、ワルシャワのゲットー・ヒーローの記念碑の前で、アウシュビッツ解放から79年目を記念するイベントが行われた。
アウシュビッツでは、110万人が虐殺されたが、そのほとんどはユダヤ人であった。イベントでは、20人のサバイバーが献花した。
エルサレムのヤド・ヴァシェムでは、「I remember wall」というプロジェクトが行われている。名前を登録すると、ホロコースト犠牲者の一人の情報が送られて来るので、ひと時、その人の人生に目を向けるというものである。今もまだ参加可能。
iremember.yadvashem.org/?p=9093&&utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=EN_NL
なお、イスラエルは、独立記念日の前に、独自のホロコースト記念日を設けており、ヤド・ヴァシェムでの正式な式典は、その日に行われる。今年は、5月5日の日没後である。
ハマスの虐殺と重なる:今こそNever Again
しかし、今年のこの記念日は、毎年の記念日とは違い、1200人ものイスラエル人が、残虐極まりない方法で虐殺されるという事件を目の当たりにする中でのこととなった。
国連のグテーレス事務総長は、イスラエルのガザでの占領にも責任があるといった発言をして以来、イスラエルから厳しい目を向けられている。今年、グテーレス事務総長は、毎年出席していたニューヨークのシナゴーグでの式典を、初めて欠席したという。
確かにパレスチナ人たちの様子は悲惨な状況にある。しかし、同時に、イスラエル人(ほとんどがユダヤ人)が残虐に殺されたというだけでなく、今現在、136人もの人質がまだ戻って来ていないのである。
にもかかわらず、世界はユダヤ人の被害には、あまり目を留めないという、まさに、ホロコーストの時代が戻って来たかの様相である。
26日には、ホロコーストサバイバーと人質の家族たちが、ヴァーチャルで集まり、その共通点について話し合う機会を持った。人質家族たちは、今こそ「Never Again」だと訴えた。