ウクライナなど旧ソ連圏から97人移住 2020.5.14

グルジアから移住したミクヘイリさん(38)と、その妻ニノさん(27)と息子のニカさん(6) 写真:IFCJ https://www.jpost.com/israel-news/despite-pandemic-97-olim-arrive-from-ukraine-uzbekistan-627868

コロナ危機にある中、欧米だけでなく、旧ソ連圏からの移住も続いている。11日、ウクライナから53人が到着。その2日前には、ウズベキスタン、グルジアから44人が到着した。グループは到着後に2週間の隔離をしてから、それぞれの居住地に向かう。

今回、グルジアから移住したミクヘイリさん(38)と、その妻ニーノさん(27)と息子のニカさん(6)たちは、先に移住した家族がいる北部キリアット・ヤムに向かうことになっている。ミクヘイリさんによると、一家は、グルジアでの居住地ズグディディで最後のユダヤ人だったという。

この移住は、ユダヤ機関とIFCJ(International Fellowship of Christian and Jews) のサポートで実現した。

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* IFCJ www.ifcj.org

1983年に、アメリカ系イスラエル人のラビ・イエヒエル・エクステインが、互いの理解を深めながら、ユダヤ人とクリスチャンの慈善事業家が協力して、イスラエルを支援することを目的として立ち上げた団体。本部はシカゴとエルサレムにある。これまでにユダヤ人75万人の移住を実現させた。

このほかにも、世界からのユダヤ人の移住、またイスラエルへの定着を支援しようとするキリスト教団体(主に福音派)は多数存在する。

●エベネゼル:https://www.operation-exodus.org

●ICEJ(国際クリスチャンエンバシー) https://int.icej.org

●ブリッジスフォー・ピース(日本支部があり、日本では最もよく知られているクリスチャンのイスラエル支援団体):https://www.bfpj.org

世界では、コロナ危機の影響で、反ユダヤ主義悪化への警鐘が鳴らされる中、逆にユダヤ人やイスラエルを保護しようとする人々もいるということである。

<ユダヤ人とクリスチャンの関係>

ユダヤ人は、特に欧米地域で、1−2世紀にまでさかのぼって、キリスト教会の中で、ユダヤ人はキリスト殺しとの教えがなされたために、迫害され続けたという側面がある。このため、両者の関係は、今世紀にいたるまで、最悪の状態であった。

しかし、1948年に、聖書の預言通りにイスラエルが再建されころから、キリスト教会の中から、迫害したことへの悔い改めと謝罪をしようとする運動が始まっていく。新しくでてきたプロテスタントの中でも特に福音派とよばれるグループは、積極的にユダヤ人やイスラエルを助け、具体的にこの謝罪を表して、関係回復を図ろうとしている。

トランプ大統領、ペンス副大統領、ポンペイオ国務長官は、それぞれ福音派で、アメリカの福音派たちの支持を受けている。このために、トランプ政権が、親イスラエル政策をとる傾向にあるといえる。

こうした運動を経て、ユダヤ教の方でも、少しづつではあるが、今の時代のクリスチャンは昔のキリスト教徒とは違うとの認識になりつつある。

しかし、一方で、福音派が親切なのは、ユダヤ人にも宣教しようとしているのではないかとの警戒もある。福音派の終末論によると、ユダヤ人がエルサレムに戻り、キリストを信じるようになるときに、キリストが戻ってくる(再臨)と信じる者もあるため、以前にもまして、キリスト教に嫌悪感を持つユダヤ人も出始めている。このため、イスラエルには、こうした”宣教師”活動に目を光らせているユダヤ教団体もある

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイド、イスラエル政府公認ガイドとして活動しています。 イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて18年。学校・企業・教会などで講演して15年になります。