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緊張するイラン情勢
イランと国際社会の核合意に関する交渉再開が難しくなる中、イスラエルがイランの核開発施設を軍事攻撃する可能性が高まっている。
イスラエルは、その可能性を示唆し、イランもそれに屈しない様相を発信しかえしており、イスラエルのリーバーマン経済相は、「イランへの攻撃は時間の問題であり、しかもそれは結構近いだろう。」と発言している。
実際のところ、イランとイスラエルはすでに水面下で攻撃し合っていることはこれまでからもお伝えしている通りである。特に、イスラエルは、ここしばらく、シリア領内にあるイラン関係施設を断続的に攻撃しており、シリアと“関係国”は、厳しい反撃を予告している時でもある。
www.timesofisrael.com/explosions-rock-base-housing-us-troops-in-syrian-desert/
また、イスラエルがイランを攻撃する場合、連絡をとりあっていなければならないのがロシアだが、ベネット首相は22日、プーチン大統領との会談のため、ソチへ出発している。
20日:シリアの米軍基地へドローン攻撃:負傷者はなし
こうした中、シリア南部、ヨルダンとの国境の非武装地帯、アル・タンフにある米軍基地で、20日、ドローン2機による攻撃があった。攻撃は、2箇所で、アル・タンフの米軍基地と、シリア反政府勢力関連地域に対してであった。米軍によると、死傷者はないとのこと。
先週の水曜、パルミラ周辺のシリア・イラン関係地が攻撃され死者も複数でたが、それがイスラエルとアメリカによるもので、アル・タンフからの攻撃であったとされ、シリアは、この攻撃に対する報復を予告していた。このため、今回のアル・タンフへの攻撃は、シリアとその背後にいるイラン関連のシーア派組織によるものとみられている。
www.timesofisrael.com/pro-iran-militias-vow-harsh-response-against-israel-over-alleged-syria-strike/
イスラエルが防衛費15億ドル追加:イラン攻撃準備か
18日、チャンネル12が伝えたところによると、イスラエル政府は、イランへの攻撃に50億シェケル(15億ドル・2000億円近く)を計上したとのこと。このうちの20億シェケルは、来年度予算にまたがっている。ガンツ防衛相は、実際に攻撃した場合は、更なる予算が必要になると言っている。
www.timesofisrael.com/idf-said-to-resume-practicing-potential-strike-on-iranian-nuclear-sites/
イスラエルと7カ国・イランがそれぞれ空軍の軍事訓練
この緊張の中、20日、イスラエルのネゲブ地方で、7カ国(イスラエル・アメリカ・ドイツ・イギリス・フランス・ギリシャ・インド)による史上最大、最も進んだとされる空軍の軍事訓練が行われた。最新鋭F35戦闘機もこの中に含まれている。訓練は2週間の予定。
hls-video-ynet.yit.co.il/1021/a39ef1dfd3a897e7dd5a702c922ea667/master.m3u8
同じく20日、イランもF4, F5, F7や、ミグ29など戦闘機オンパレードで、軍事訓練をおこなったと、イラン国営放送が伝えた。
www.jpost.com/middle-east/israel-iran-holding-separate-large-scale-aerial-drills-682747
イランが世界に屈する様子はまったくないということのようである。こうなると、シリア、またイランに大きな影響力を持つロシアがどう出てくるのかが注目される。ベネット首相はすでにソチに到着。プーチン大統領との会談がはじまったもようである。