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イスラエルでは、20日、UAEの政府高官が史上初となるイスラエルへの公式訪問を行い、アメリカとともに3カ国でビジネス・サミットを実施。ともに平和と繁栄をめざすための合意を交わした。
その中には、技術開発などで協力するための3億ドルにのぼる「アブラハム基金」の設置も含まれていた。
www.timesofisrael.com/senior-uae-delegation-lands-in-israel-netanyahu-today-we-are-making-history
ホワイトハウスでのアブラハム合意以来の動き
イスラエルとUAE,バーレーンは、9月15日に、ホワイトハウスで、国交樹立に向けて努力することで合意ー通称、アブラハム合意に署名。外交、ビジネス、観光、技術協力などの大枠で合意に至っていた。
これを受けて19日、史上初となるUAEのエチアド航空民間機が、ベングリオン空港に着陸。数時間後、イスラエルの旅行関係者を乗せて、UAEに戻っていった。
同時にこの日、UAEからの貨物船が初めてハイファに到着。運ばれてきたのは洗濯機、電気製品や食料とのこと。ネタニヤフしゅしょうもこの記念すべき初の貨物船を訪問していた。
UAE政府高官のイスラエル公式訪問
続いて、20日、UAEのオバイド・ヒューマイド・アル・テイラー財務担当相、アメリカのムニューチン米財務長官を乗せたエチアド航空機が、ベングリオン航空に到着。UAE政府高官による初のイスラエル公式訪問を実施した。
以下は歴史的なこのフライト内での機長の放送の様子
Exciting that we keep getting to make these! First UAE 🇦🇪 delegation to Israel 🇮🇱 on @etihad (with Israelis, Emirates and Americans onboard) 🇺🇸🇦🇪🇮🇱 w/ @AdamUSDFC pic.twitter.com/lZ6zrFHfMM
— Avi Berkowitz (@aviberkow45) October 20, 2020
UAEからの一行を迎えたのは、イスラエルのネタニヤフ首相、アシュケナジー外相、カッツ財務相。空港での歓迎式典において、イスラエルとUAE、アメリカは、これからの平和と繁栄を構築するための4項目について合意書を交わした。
その4項目とは、①投資の保護:両国の才能への自由な投資を保護する。②科学技術での協力、③民間航空の行き来、④両国市民は違いにビザなしで行き来できるようにする。
ネタニヤフ首相は、式典において、UAEのモハンマド・ビン・ザイード皇太子、トランプ大統領、中東を駆け回ったクシュナー大統領補佐官チームへの感謝を表明した。
なお、この同じ日、イスラエルの航空会社アーキアは、UAEのドバイ直行便を来年1月3日から開始する計画を発表。ネットですでに予約も可能だとのこと。ドバイまでのフライトは3−4時間で、片道149ドルから。政府からの正式な許可がまもなく出るみこみとなっている。
www.timesofisrael.com/israeli-airline-arkia-starts-offering-flights-to-dubai-starting-january
3億ドルのアブラハム基金設置
この式典の中で、3国は、エルサレムに3億ドルにおよぶ「アブラハム基金」を設置したと発表した。中東と北アフリカの様々な問題にとりくみ、技術開発などを行って、平和と繁栄に貢献しようとする基金である。
いわば、両国のこれからの協力の歩みを支えるための資金である。
www.timesofisrael.com/us-israel-uae-announce-establishment-of-3-billion-regional-investment-fund/
石のひとりごと
かつて敵対していたユダヤ人とアラブ人だが、水面下、人間同士のレベルでは、この日のための様々な努力が続けられていたと言われている。それが今、実現し国家間にまで成長したということである。
アメリカ大統領選挙直前のトランプ大統領、反ネタニヤフ首相デモで支持率が落ちているネタニヤフ首相にとって、大きなカードになりうるが、イスラエル国民の反応は、やはり日々の生活に追われ、それほどのエクサイトはなさそうでもある。
しかし、落ち込んでいるイスラエル経済の回復につながるかもしれず、コロナ危機が下火になっているままで、両国の関係が深まっていくようにと思う。