UAE仲介:イスラエルとヨルダンが電気と水交換で合意 2021.11.24

UAE Foreign Ministry/Twitter

22日、イスラエルとヨルダンが、電気と水の交換に関する合意に署名した。両国にとって、1994年のイスラエル・ヨルダン和平合意以来で、最大級の合意になるという。

合意の内容は、イスラエルは国内の海水から淡水化した水をヨルダンに販売し、イスラエルは、UAEがヨルダンに建設する大規模な太陽発電所でつくられる電力を購入するというもので、文字通り関係諸国全員のウインウイン合意である。

この合意を仲介したのはUAEで、署名式は今ドバイで行われているドバイ万博会場で行われた。言うまでもなく、この合意はアブラハム合意により実現したもので、バイデン政権もこれに協力している。

中東では、今、各地で旱魃がすすんでおり、イスラエルの淡水化技術が、中東諸国で大きな助けになると期待されていた。特にイスラエルは砂漠王国で水資源に乏しい。

一方、イスラエルも電力は特に夏、かつかつ状態であった。この合意は、今世界が推進するグリーンエネルギー推進が、地域の平和にまで影響することを世界に証明した形である。

Times of Israelによると、この署名は先のCOP26の時に行われる予定であった。しかし、野党からの反発をまねいて、2021-2022予算案に合意を得られなくなることを懸念したベネット首相が、この時まで延期したという。
予算案が定まって政権が落ち着いた今、多くの国家レベルのことが達成されていっているようである。

www.timesofisrael.com/israel-jordan-sign-uae-brokered-deal-to-swap-solar-energy-and-water/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。