物議を呼んでいる国家民族法と同じ頃、代理出産に関する法案も、国会を通過した。それによると、イスラエルは、独身女性と結婚している夫婦が代理出産で子供を持つことを支援するが、独身男性にはこれを認めないということである。
言い換えれば、ゲイカップルが、代理出産で子供をもつこどだけは赦されないということを意味している。これを受けて、LGBT(ゲイ・レスビアン・バイセクシャル・トランスジェンダー)が、不平等だとして反発している。
www.jpost.com/Israel-News/Surrogacy-bill-passes-Netanyahu-flip-flops-on-homosexual-surrogacy-562810
エルサレムのオープンハウス(ゲイ支援施設)のCEOオフィル・エレズさんによると、イスラエルは、世界でも有数のゲイ・フレンドリーな国だが、同時に市政においてはまだかなり保守的なところがあり、難しい点も多いという。
エレズさんは、イスラエル人は、子供好きが多く、子供こそが人生の喜びであると考えている。ゲイだからといって、その権利を奪うことはどの政府にもできないはずだと訴える。
同性のカップルでは、子供が正常に育たないのではないかとの質問が出たが、エレズさんは、「異性夫婦でも問題を抱える家庭は多い。むしろゲイカップルは愛で結ばれているので、家庭に愛がある。子供に必要なのは愛だ。ゲイカップルの子供は皆、正常に育っている。」と力を込めて訴えた。
イスラエルでのゲイの割合について、エレズさんは、地域性もあるが、概ね総人口の10%ぐらいとの返答であった。
<エルサレム・ゲイ・パレードに2万人以上>
エルサレムでは、8月3日夕方からゲイ・パレードが行われた。3年前、パレードに参加していた16歳少女が、同性愛に反対する超正統派男性に、パレード中に殺害されたことから、今年も治安部隊2500人に守られながらのパレードとなった。
今年は、特に、代理出産の問題があったことから、ネタニヤフ首相への不満を叫びながら歩いた者もいた。掲げられたプラカードには、愛をモチーフにしたものが多く、「あなたの隣人をあなたのように愛せよ。」というものまであった。
一方、同性愛反対のユダヤ人グループ、レハバは、パレードからはほど通いところで、反ゲイを叫んでいたが、彼らのプラカードは、「イスラエルの神を怒らせるな」とか、「エルサレムはソドムではない。」「エルサレムは、聖なる街」であった。
幸い、事故もテロもなく終了している。
www.timesofisrael.com/thousands-march-in-largest-ever-jerusalem-pride-parade-under-heavy-security/
<超正統派ユダヤ教徒もデモ>
ゲイパレードが行われた同じ日、エルサレム市への入り口付近では、大勢の超正統派ユダヤ教徒が集まって、デモを行っていた。路面電車は止められ、バスも迂回させられた。
ゲイパレードに反対するデモかと思ったが、超正統派の従軍を義務付ける法案に反対するデモであった。
これほどデモが行われる点からも、イスラエルは、ユダヤ人の国であるが、確かに民主国家である。あるドルーズが言っていたように、「イスラエルはユダヤ人の国であるからこそ、民主国家」なのではないだろうか。