IDFがガザ北部病院から患者17人を移送・人質の命も限界と家族訴え 2024.11.25

In coordination with the IDF, ambulances transfer patients and caregivers from the Kamal Adwan Hospital in the northern Gaza Strip to other locations in the Palestinian enclave November 23, 2024. (IDF)

ガザ北部のカマル・アドワン病院から患者17人移送

ガザでは、イスラエル軍が、避難民たちに移動を警告しながら、ハマスなどテロ組織への攻撃を続けており、この2日の激戦で、100人が死亡したとアルジャジーラは主張している。

www.aljazeera.com/news/2024/11/23/more-than-100-palestinians-killed-in-israeli-attacks-on-gaza-in-48-hours

特に激戦になっている北部では、カマル・アドワン病院が問題となっている。

病院が、ハマスと関係しているため、イスラエルとしては、どうしても病院や、その周囲への攻撃を避けられない。11月23日(土)には、イスラエルのドローンによる攻撃でアブ・サフィア院長が負傷した様子が伝えられていた。

病院が危機的になる中、集中治療室にも患者がいるため、イスラエル軍は、23日、17人の患者を2台の救急車で、他の医療センターへ移動させた。イスラエルによると、この数週間の間に、患者、介護者、医療従事者など323人が移動したとのこと。

また、IDFは、カマル・アドワン病院には、燃料6万リットル、230箱の医療用品や医薬品、180の血液、トラック8台分の食料と水を搬送したとの声明を出した。

石のひとりごと

ガザ北部の避難民は、移動を警告されても、もはや行く場所がない。南部では、瓦礫となっている学校などで立ち尽くす様子が伝えられている。

ガザ社会は、もはや完全に崩壊しており、資金のない人は、食料を買うこともできない。売春する女性、自殺する人も多数にのぼっているとのこと。

www.timesofisrael.com/during-offensive-idf-transfers-patients-from-north-gaza-hospital-to-safer-areas/

これから冬に突入し、伝染病もさらに拡大し、まさに地獄となる。そのガザにいるとみられる101人の人質もまた同じ状況に置かれているということである。

23日、毎週恒例の様相ではあるが、テルアビブで、政府に交渉に応じて、人質を奪回するよう求める大規模なデモが行われた。

ガザにいる人々とイスラエル人の人質のために、1日も早く、ガザでの戦闘が終わるよう、とりなしが必須になっている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。