EU(27カ国)がハマスが病院・人間を盾にしていると非難声明:トルコが野戦病院設立へ 2023.11.14

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EUがハマスを非難:即無条件に人質解放を要求

EUのヨセフ・ボレル外相

ガザの人道状況、特に病院が危機的状況に陥る中、イスラエル軍が、いよいよハマスの最重要拠点があるとするシファ病院へ突入する様相にある中、先週、アラブ諸国が、ガザの人道危機について、イスラエルを非難することでは一致する声明を出していた。

13日(月)には、EU加盟の27ヵ国が、「ハマスは、イスラエルとの戦争において、病院や市民を盾にしている」と、ハマスを非難することで一致する声明を出し、ただちに、無条件に人質を解放するよう求めた。また国際赤十字の職員が、人質にアクセスすることも求めている。声明を出したのは、EUのヨセフ・ボレル外相である。

一方、ボレル首相は同時に、イスラエルに対しては、「人命が失われないよう、最大限の配慮してほしい。」と述べ、人道支援物資が国境を超えられるよう、ただちに休戦することも求めた。いずれの国も「停戦」を求めなかったことは、特記に値する。

国連安保理は、アメリカ、ロシア、中国が拒否権を持っているので、ほぼ機能不全になっており、これほどの戦争になっていても、何もできない状態にある。そこで、国連総会での採択が行われたのだが、そうなると、アラブ系の国やロシア、中国に反対できない国もあり、イスラエルへの非難だけに終わっていた、

しかし、イスラエルとハマスの戦争は、欧米諸国にとっては他人事ではない。イスラエルが言っているように、ここでイスラエルが停戦に応じてハマスに道を譲るようなことになれば、次は、欧米にその危機が及んでくる可能性が出てくるのである。

トルコが野戦病院設立の準備搬入

先にUAEがガザに野戦病院を設立すると言ってその機材を搬送していたが、その後の情報はない。EU側も、野戦病院を設立するかのように、13日、(EU加盟候補)トルコが野戦病院を建てるとして、その機材や救急車などを、ガザとシナイ半島の国境近くの港(エジプト)に届けた。

Times of Israelによると、それで、8つの野戦病院を設立できるという。一つは、エジプトの強力で、ラファ国境から40キロ地点に設立する予定である。

こうした野戦病院は、病院での戦闘が避けられない中で、民間人の犠牲を最小限にするために、どうしても必要なことであった。イスラエルは、以前から要請していたとのことである。病院にいる人々や子供たちが、野戦病院に逃れている間に、ハマスを撃滅できるからである。

www.timesofisrael.com/eu-slams-hamas-use-of-hospitals-and-civilians-as-human-shields-as-idf-nears-shifa/

石のひとりごと

トルコが少々ややこしいが、聖書を軸にする欧米諸国はやはり、少なくとも国レベルでは、イスラエルと他人であることはできないだろう。ここから少しでも情勢の好転になればと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。