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Bridges for peace:ユダヤ人とクリスチャンの関係回復のために
BFP(Bridges for peace)は、ユダヤ人と彼らを迫害した歴史を持つキリスト教会との関係回復を目指し、イスラエル国内で、貧困者へのさまざまな支援活動、また世界各国での教育活動を行なっている。キリスト教(主に福音派)団体である。
活動は,1976年からで、もう47年になる。その日本支部局として、活動しているのがBridges for Peace Japanである。こちらも創立2004年からもう19年になる。立ち上げ当初の代表は栄子・スティーブンス師と高田篤美氏。
その後、栄子師は、BFPと協力はしながらも、“オメガミニストリー”という独自のミニストリーで活躍しており、BFPJapan局長は高田篤美氏が務めている。日本からの支援は増え続け、今では、アメリカを抜いて、BFP本部での最大の支援国となっている。
イスラエル国家に認められたBFPの働き
こうした中、今年建国75周年を迎え、エルサレムでWZO(世界シオニスト議会)がカンファレンスを開催している中、KKL(カレン・カイェメット・イスラエル(ユダヤ民族基金))は、BFPとそのCEOであるレベッカ・ブリマー氏に、イスラエルへの献身と貢献を認める賞、ヤキール賞を授与した。
今年この賞を受賞したのは、ディアスポラ(イスラエル国外滞在)ユダヤ人5人と、異邦人のクリスチャンとしては、ただ一人のブリマー氏であった。その背後に、日本からの多くの献身と献金もあったということである。
BFPJapan Blessing Zion クワイヤー:ポーランドとイスラエルでの働き
こうした中、BFPJapanでは、毎年、ユダヤ人団体が企画する、アウシュビッツでの「いのちの行進」とその後のイスラエルでの独立記念日でのイベントに参加する企画を行なっている。
今年BFPJapanは、プロの音楽家たち31人からなるクワイヤーを結成して派遣した。代表は、BFPJapan副局長の田畑恵さん、チャプレンは永井信義牧師、クワイヤのリーダーは三ツ橋靖子さん。
ポーランドでは、まずイスラエルはじめ世界各国から集まった主にユダヤ人たち1万3000人とともに、アウシュビッツを歩き、その壮絶な歴史の現場をおとづれた。ユダヤ人たちと痛みを共有し、その思いを歌に表現していった。
1)ポーランドでヘブライ語の歌を
その後、ポーランドでは、ウクライナ難民のために、ポーランド、イスラエルからのミュージシャンたちとともに、コンサートを行った。日本のクワイヤが歌ったのは、ヘブライ語の「アル・コル・エレ(すべてのことの上に)」というユダヤ人たちの神への祈りの歌をはじめ、イスラエル国家ハティクバなどで、会場では多くのユダヤ人たちが立ち上がり、涙を流していたという。
2)イスラエルで独立記念日イベントに出場
KKLは、独立記念日に合わせて、毎年、独立戦争の激戦地ラトルーン(エルサレムとテルアビブの中間)で、ユースたち(中高生から大学生までぐらいで、そのほとんどは、イスラエル人とみられる)のための独立を祝うイベントを開催している。
Blessing Zionは、このイベントに出場。100%ユダヤ人のシオニスト団体のイベントに、異邦人では唯一、日本人としてステージに上がった。
ここでもアル・コル・エレを歌い、イスラエルと日本の旗を翻らせた。その後、多くのユダヤ人の若者たちが、ジャパン、ジャパンといいながら、共に写真を撮りに来たり、感謝を叫んでいく様子が見られた。
なお、このステージには、数年前にも日本人クリスチャングループ、ナイト・デ・ライトが歌を披露していた。
3)カルミエル支援現場でのコンサート
その翌日、クワイヤーは、BFPがかつてフードバンクを置いて、支援活動を行ってきた北部の町、カルミエルの市役所で、支援を受けている住民のためのコンサートを行った。
この町には多くのウクライナからの移住者がいる。話しかけた数人のユダヤ人は、ハリコフ出身で、最近、イスラエルへ来たばかりで、ヘブライ語も英語もまったく話せない高齢者たちであった。
クワイヤーメンバーは、コンサートの後、実際の支援活動も経験していった。
石のひとりごと
今回参加していたクワイヤーの一人一人は、皆、成熟した教職者、献身者の皆さんであった。どの人も笑顔が実にきれいで、真摯に目の前のユダヤ人たちを想い、愛を注ごうとされていて、そのほかのことは何も考えてない、そんな真摯な思いが伝わってくるようであった。
その中でユダヤ人たちが座っている会場と、クワイヤーが一致している空気にもなり、感動させられた。
世界には数えきれないほどの国のクリスチャンたち、またクリスチャンの組織や団体が、イスラエルを支援している。ところがこのユダヤ人の心でもあるWZO、KKLのコンサートで歌ったのは、日本人だけである。
BFPとBFPJapan、また長年献金を続けてきた日本の教会へ、主からの答え、また報いではないかと思う。すべての関係者に深い敬意を表明するとともに、これから日本への主の霊的な祝福をおおいに期待したい。