昨年、アメリカで初の女性イスラム教徒議員2人、パレスチナ人でラシダ・タリーブ氏(ミシガン州)と、ソマリア難民出身のイルハン・オマル氏(ミネソタ州)が誕生した。2人は民主党で、共和党で、イスラム移民に厳しい政策を取っているトランプ大統領には対立する立場である。
2人はまた、反イスラエルで、イスラエル製品をボイコット運動をすすめていることで知られる。その両氏が、イスラエルへの訪問を表明し、論議を巻き起こした。
イスラエルでは、これに先立つ8月5日、民主党新人議員41人(235人中の17.5%)がイスラエルを訪問。イスラエルを支持する立場を表明していた。スポンサーは、AIPAC(ユダヤ系ロビー団体)であった。
これについて、同じ民主党でも左派系議員は、これを批判。タリーブ氏とオマル氏も、当然これには参加せず、41人のイスラエル訪問のわずか2週間後の18日に、パレスチナを訪問すると表明した。
トランプ大統領は、「これを受け入れたらイスラエルは弱腰であるということだ」とツイート。ネタニヤフ首相は、最終的に、この2人が、BDSムーブメントに関係しており、イスラエルに害を与えようとしているとして、入国を拒否すると表明した。
すると、タリーブ氏は、パレスチナにいる祖母に会うためとしてイスラエルへの入国を再申請。イスラエルは、これについては、人道的観点から受け入れると表明した。ところがタリーブ氏は気を変えて、これを拒否。祖母訪問はしないと表明した。
するとトランプ大統領が、これを嘲笑い、一番得をしたのは、タリーブ氏に会わずにすんだ祖母だとツイートした。すると、90歳になる祖母ムフティア・タリーブさんは、ロイターのインタビューで、「神がトランプ大統領を滅ぼされるように」と反発した。
www.timesofisrael.com/tlaibs-grandmother-wishes-ruin-on-trump-after-he-mocks-her-on-twitter/
いろいろややこしいが、この問題が浮き彫りにしたのは、イスラエルとアメリカ在住のディアスポラ・ユダヤ人社会との不仲であった。
タリーブ氏とオマル氏の訪問をイスラエルが拒否した際、アメリカのユダヤ人組織は、これを批判。民主国家としてふさわしくないと表明していた。