エルサレムは平和にやっているが、同時進行で、ガザ情勢は日々悪化している。
28日金曜、毎週恒例のガザ国境での帰還への行進デモは、2万人にふくれあがった。100個以上の手榴弾などがイスラエル軍に投げつけられ、パレスチナ人の一部がイスラエル領内に入ろうとしたこともあり、実弾での対応が行われた。
パレスチナ側情報によると、12歳少年などティーンエイジャー3人を含む7人が死亡。90人が負傷した。イスラエル側に負傷者はなかった。イスラエル軍は、空軍によるハマス拠点への攻撃も行った。
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<風船による火災12箇所>
ガザからの火炎生のある風船によるガザ国境周辺の火災は、一時かなり減少していたが、先週から、再び再開されたとみられ、この金曜だけで、イスラエル南部の農地12箇所が火災となった。
イスラエル軍によると、火炎生の風船は、24時間、いつでも飛来するようになっている。装着されている発火物もだんだん高度になってきており、地面に落ちてる風船に不用意に近づかないよう、市民に警告している。
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<エジプトと国連の仲介中断:ハマスとパレスチナ自治政府対立悪化>
先週から、ガザ情勢が悪化しているのは、エジプトと国連が仲介しているハマスとイスラエルの間接交渉が中断したからである。中断に際して、ハマスは、武力闘争を激化させると言っていた。その通りになっているわけである。
ハマスとイスラエルの間接交渉が中断したのは、この動きの蚊帳の外に置かれたパレスチナ自治政府のアッバス議長が、交渉を妨害しようとして、もし自治政府抜きで、ハマスとイスラエルとの合意が成立するようなことになれば、ガザ地区への毎月の送金1億ドルを差し止めると脅迫したからである。
もし自治政府からの送金が止まれば、ガザ地区ば文字通り崩壊する。この危機に際し、ガザ市民のハマスへの怒りを回避するため、イスラエルへの攻撃をあおって、市民の目をイスラエルへ向けようとしているのではないかとの分析もある。
また、ガザでは、ハマスがファタハ(自治政府関連)関係者を、西岸地区では、ファタハがハマスの関係者を逮捕し、両者の関係が緊張を増している。
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こうした中、ニューヨークで行われている国連総会で27日、アッバス議長は、ハマスに提示した和解条件をハマスが受け入れないなら、ガザ地区を見限るといい、和解努力は失敗したともとれる発言を行った。ハマスはこれに反発している。
ハマスとパレスチナ自治政府の武力衝突のとばっちりを受けるのはイスラエルである。この状況にイランが入り込んでくる可能性も否定できない。
イスラエルのリーバーマン防衛相は、ハマスとの関係を決裂に追い込むような発言をしたアッバス議長を批判し、「ともかくもイスラエルは、自衛に徹し、我が国に害を与える者には、その分だけきっちり反撃する」と釘をさした。