1)アメリカの経済制裁開始前夜
トランプ大統領がイランとの核合意の離脱を宣言してから90日になる8月6日、イランへの最初の経済制裁が発動される。続いて180日後の11月5日には、原油の輸出制限を含むあらたな経済制裁が課される予定。
www.cnbc.com/2018/05/08/here-are-iran-sanctions-returning-after-trump-leaves-nuclear-deal.html
イランでは、通貨価値が急激に下がり、その経済はすでに大打撃を受けている。また、深刻な干ばつもあいまって、テヘランを含む各地で、時々に反体制デモが行なわれている。
先週金曜には、テヘランから100キロ地点で、反体制デモの500人が、シーア派イスラムの神学校を襲撃したが鎮圧された。デモは発生しているが、まだアメリカとイスラエルが期待するような、現イスラム政権を揺るがすほどのデモにはなっていない。
また、アメリカは各国にもイランからの輸入停止を要請しているが、中国は、それに同調せず、イランから継続して石油を輸入することを明らかにした。
今後、アメリカの経済制裁がどの程度、現イスラム主義政権打倒への圧力として効果を発揮するのか、まだ、予想もつかないといったところである。
2)ホルムズ海峡閉鎖を示唆か
トランプ大統領は、いよいよイランへの経済制裁を始めるにあたり、「今、イランの経済は最悪だ。もしイランが話し合いたいというなら、無条件で会う。」とメディアを通じてよびかけた。
これに対し、イランは、「アメリカとの話し合いは、アメリカが2015年の核合意に戻ることが条件だ。」として、これをすかさず一蹴した。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/250025
さらに、イランは、ホルムズ海峡に近いペルシャ湾で大規模な海軍演習を行った。ホルムズ海峡の閉鎖を示唆したものとみられている。ホルムズ海峡を閉鎖されると、日本をはじめ世界各国への原油の供給に大きな影響が出る。
イランのザリフ外相は、「イランはアメリカより2000年も前から存在する。アメリカはここから7000マイルも遠くにいて、我々の庭でどうふるまったらよいのか、わからないようだ。」と言い放った。現時点では、アメリカの経済制裁をやりすごす自信があるようである。