イスラエルでローシュ・ハシャナが始まった19日、メキシコ・シティを、マグニチュード7.1の巨大地震が発生。21日の時点での死者273人(うち137人はメキシコ市)が確認されている。
がれきの下での生存率が大幅に下がる72時間が迫る中、必死の捜索活動が続けられているが、犠牲者数はまだ増えると懸念されている。同市では、9月7日にもマグニチュード8.1の大地震が発生し、90人が死亡したばかり。
イスラエルのネタニヤフ首相は、地震発生後、直ちに救援隊派遣の準備を指示。翌、20日には、”角笛の音・遠征隊”と名付けられたイスラエル軍の救援部隊(70人)が出発し、地震発生36時間後にはメキシコシティに着いて、活動を開始した。
Yネットによると、今回の活動は、隊員71人のうち、25人がエンジニアや、建設技術を持つ隊員で、メキシコの専門家たちとともに、全壊したビル38件(BBCによると44軒)の位置確認や、調査といった後方支援を中心に行っている。
しかし、まだ地震発生から36時間であったことから、得意の生存者の捜索、救出活動も行っている。イスラエル軍だけでなく、イスラエイド(イスラエル国際救援組織)もメキシコに到着し、捜索・救援活動を行っている。
イスラエルの救援隊が早期に到着し、協力しはじめたことはBBCや日本のメディアも報じた。
*新年の角笛をメキシコの被災地で吹きならずイスラエル軍兵士たちの様子
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5019490,00.html
なお、日本からも、国際緊急救援隊(JDR)72人が派遣され、21日より活動を開始している。アメリカなど各国の救援隊も活動を行っている。
*メキシコの精鋭救援隊”もぐら隊”
メキシコは日本と同様、地震大国である。1985年の大地震では、広範囲にビルや建物が倒壊し、1万人が犠牲となった。これを受けて、1986年、メキシコ政府は、将来の大地震に備えて、正式なボランティア救援隊の登録を始めた。
この救援隊は、”もぐら隊”と呼ばる。今回の地震でも活躍しているもよう。
<バプテスマ中の教会が倒壊>
今回の地震で非常に悲惨なニュースが続いている。メキシコシティから150キロ離れた町プエブラでは、カトリック教会で、2ヶ月の女児のバプテスマを行っている最中に地震が発生し、女児を含む家族親族11人が死亡。救出されたのは、家族では唯一、女児の父親と、儀式を導いていた神父のみだった。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5019490,00.html
<小中高統一学校が倒壊>
がれきからの救出で、特に優先度が高く挙げられているのが、震源地に近いプエビラ・レブサメン・スクール。小学校では、少なくとも子供21人と大人5人の死亡が確認されている。
必死の救援活動が続けられるのを、両親たちが見守っている姿は、他人事ではない気がする。こうした中、地震から32時間後に、12歳の少女、フリーダ・ソフィアさんが救出されたことは世界中が報じた。