水曜、ネゲブ地方にある違法とされるベドウインの村ウム・アル・ヒランを強制撤去しようとしていた警察と、ベドウインたちの間に暴力的な衝突が発生。
アル・ヒラン住民のムサ・アブ・アルキヤンが運転するトラックが、警察官たちにつっこみ、警察官のエレズ・レビさん(34)が死亡した。トラックを運転していたアルキヤンも射殺されて死亡した。
警察は、アルキヤンは、イスラエル南部のイスラム運動のメンバーで、ISISとの関わりもあったと主張している。
しかし、ベドウイン側は、アルヤキンに、警察官を殺害する動機はなかったと主張。逆に運転中に射殺されたことで、そのまま警察官らにつっこんだと主張している。
なお、Yネットによると、警察官らは、まだ撤去作業に入る前だった。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4909111,00.html
死亡したエレズさんには妻のクララさんと5歳、2歳の子供たちがいた。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4909313,00.html
<無認可ベドウイン村撤去について>
上記事件の後、ウム・アル・ヒランは、予定通り、強制撤去された。撤去作業が行なわれている間、警察官たちが人間の輪を作ってだれも近づかないようにして、さらなる衝突を避ける方策をとった。
ところが、そこへ統一アラブ政党の議員らが来て、村の撤去を行う警察官たち抗議して、アイマン・オデー議員が負傷した(軽傷)。アラブ議員らは、ベドウイン村の撤去は、イスラエルの少数派アラブ人に対する暴力だと訴えている。
ベドウインは、かつては遊牧していたが、今は定着しているアラブ人たちである。非常に貧しく、イスラエルの中でも最も貧しい人々である。
イスラエル政府は、貧しいベドウインたちの生活を改善しようとしているのだが、部族間の問題もあり、村は散在している。学校や設備をそれぞれの村すべてに整えることは不可能である。
そこで、いくつかの大きな村を認可し、その町に学校や様々な施設のほか、住宅をほぼ無料で提供するなど、ベドウインたちをある程度集約する計画を進めている。
しかし、これは、もともと遊牧をしていたベドウインのライフスタイルには、合わず、貧しいベドウインの生活を改善しようとするイスラエル政府のよい思いが逆に批判される結果にもなっているのである。
とはいえ、貧しいベドウインの村では、犯罪も増える一方であるため、イスラエル政府としてもなんらかの対策はとらなくてはならない。そうした中で、今回の無認可村の撤去という運びになったわけである。
イスラエルが少数派アラブ人に、わけもなく暴力を振るっているというのは誤りである。