トルコがEUに対して提案した難民対策案が、最終合意に至り、20日深夜0時より、正式に発動となった。
トルコの対策案によると、20日深夜以降、トルコからギリシャへ到着する難民のうち、難民指定に準じない者や、シリア人であっても密航でギリシャに来た者は、トルコへ差し戻しになる。
戻された難民の中で、シリア人が含まれていた場合、トルコで、密航という道を選ばなかったシリア人が差し戻された数だけ、交代にヨーロッパへ移住することができるとしている。
トルコからギリシャへ危険な船旅をして脱出を試みた人は今年に入ってからだけで12万人以上。このうち400人以上が途中、エーゲ海で死亡している。今回の措置は、とりあえず密航とその途中で死亡するという悲劇を止めることが目標である。
しかし、BBCによると、新システムが発動する20日深夜までに、ギリシャへ駆け込んだ難民の数は、倍増していたという。
本日20日、トルコ案が発動後に、ギリシャの島レスボス島に到着した難民の様子が報じられていた。これらの難民の中には、トルコへ差し戻される可能性があるという新しいシステムを知らなかった人もいるという。
この人々に関しては、まずは一人一人の面談がある予定だが、まだその準備も、その後、具体的にどのようにトルコに差し戻すのかなど詳細が決まっておらず、実際の履行はもう少し先になるとみられる。
また、今すでにギリシャとマケドニアの国境で足止めとなっている難民たちが、どうなるのかについては明確になっていないとう課題が残されている。
マケドニアに足止めになっている難民たちは、「ヨーロッパが、私の将来や人生を左右する権利はない。」と怒りを訴えている。
また、「イラクやアフガニスタン人は難民と認めてもらえないのではいか」など、難民たちの間で情報が錯綜し、混乱が広がっているとBBCは伝えている。