テロが続くトルコだが、19日朝、イスタンブールの観光地で自爆テロが発生。4人が死亡。少なくとも36人が負傷した。
ネタニヤフ首相の記者会見(事件当日)によると、死亡した4人のうち2人がイスラエル人(後に3人と確認)で、1人はイラン人だった。また、負傷者36人のうち、11人がイスラエル人で、このうち2人が重傷、2人が中等度の負傷となっている。
また事件後半日以上経った現在(日本時間20日午前6時)、6人(メディアによっては10人)のイスラエル人と連絡がとれていない。
犯行声明はまだ出ていないが、トルコ当局は、犯行がISISか、PKK(トルコのクルド人勢力)ではないかと言っている。どちらかといえばISIS
ではないかとの報道が目立つが、まだ確定はされていない。
イスラエル政府は、負傷者を早期に帰国させるため、ただちに救急隊とイスラエル軍兵士を乗せた特別機2機をイスタンブールへ派遣した。
またイスラエル人被害者の遺体を収容するとともに、トルコのあと片付けを手伝うために、ZAKA(テロ現場などで犠牲者の遺体などを現場から収容する組織)も、安息日が終わると同時にイスタンブールへ向った。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4780289,00.html
www.bbc.com/news/world-europe-35850625
なお、死亡したイスラエル人で、名前が発表されたのは、ディモナ在住のシムハ・デミリさん(60)。一緒にいた夫のアビさんは足と肺に破片を受けて中等度の負傷となっている。アビさんによると、テロリストはグループから4mぐらいの地点で自爆したという。
今回、テロに巻き込まれたイスラエル人は、旅行会社が企画した観光ツアーに参加していた一行だった。問題は、テロがイスラエル人を狙ったものかどうかである。
現場を撮影した映像はすぐにネットに流されたが、それによると、犯人は付近にいた警察に気づかれたと思って狼狽し、別のところで自爆するつもりが、現場で自爆してしまった可能性もあるという。いずれにしても、ネタニヤフ首相は、外務省に、トルコへの渡航警告を出すよう指示した。
ネタニヤフ首相によると、イスラエルはトルコ政府とも連絡をとりつつ、情報収集にあたっているという。現在、外務省事務局長のドール・ゴールド氏が、ワシントンでAIPACの年次総会に出席していたのを中断してイスタンブールに向うなど、イスラエル政府関係者15人がトルコ入りしている。
トルコでは、事件発生直後に、エルドアン大統領所属の与党女性議員イレム・アカタスが、「イスラエル人の負傷者は全員死んだらよい。」とツイッターに書き込みをして、問題となっている。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4780356,00.html
書き込みはまもなく取り下げられたが、イスラエルは、調査をすすめるとともに、トルコ政府に謝罪を求めている。これを受けて、トルコ政府は、イレム・アカタスをただちに退官させている。
トルコのダウトオール首相は、夜にになってから、ネタニヤフ首相に、追悼を表明する手紙を送った。ダウトオール首相は手紙の中で、「また悲惨なテロが発生した。国際社会は一致して、断固として、テロ組織と戦って行かなければならない。」と表明している。