<拡大するISIS>
イラクではバグダッドに近いラマディがISISに占領され、シリアでは、パルミラが占領されて、ISISの支配域が拡大している。
ISISの目的は、20世紀に、中東で、欧米が勝手にひいた国境線をキャンセルし、あらたにイスラム国家を設立することである。その目標に近づきつつあるようである。以下のニューヨークタイムスのサイトでは、多くの地図を使って説明している。
www.nytimes.com/interactive/2014/06/12/world/middleeast/the-iraq-isis-conflict-in-maps-photos-and-video.html
アメリカは、地元イラク軍を支援してISISを撃退する計画だったのだが、そのイラク軍に一致がなく、兵士に戦意がないと言う事が指摘されている。ラマディでは、ISISが来たとき、イラク軍兵士は、アメリカからもらった軍用車両100台ほどを置き去りにして、一斉に逃げてしまったという。
次の記事は、イラク兵で、集団殺戮の中にいたが、遺体の下になって奇跡的に生き延び、ISISの占領地帯を人々の家に隠れながら逃れて来た人の証言を報じている。証言はまるでホロコースト生存者の証言のようである。(ビデオあり)
かなりショッキングだが、ISISが何をしているのかをかいま見る事ができる。
www.nytimes.com/2015/03/06/world/middleeast/iran-gains-influence-in-iraq-as-shiite-forces-fight-isis.html
I24によると、ISISは、パルミラの世界遺産となっているローマ円形劇場に人を集めた上で20人をステージ上で殺害したという。非人間性という点では超一級の行為である。http://www.i24news.tv/en/news/international/middle-east/72726-150527-islamic-state-shoots-dead-20-at-palmyra-amphitheater-monitor
そのISISに対し、地上ではイランを背景にしたシーア派が、反撃にとりかかっている。VICEnewsによると、イランでは、ISISに関する風刺画のコンテストが行われた。なぜか、ISISとイスラエルが協力している絵がいくつかある。
news.vice.com/article/anti-islamic-state-cartoon-contest-launched-in-iran
スンニ派のイスラム国か、シーア派のイランか、どちらが中東を制するのかはわからないが、どちらになっても、世界にとっては大きな脅威である。この状況を前に、イスラエルのアルーツ7が、以下のようなコラムを出していた。
<クリスチャン大量虐殺進行中・欧米は眠っている/ ジュリオ・メオッティ(アルーツ7コラムニスト)翻訳抜粋>
www.israelnationalnews.com/Articles/Article.aspx/16977#.VWXi1KW9BCt (英語本文)
毎年、10万人のクリスチャンがキリスト教徒だということで殺害されている。つまり毎時間11人のクリスチャンが殺害されているということになる。
教会の十字架は破壊され、クリスチャンの町は廃墟となり、代わりにイスラム国の旗が翻っている。イスラム主義者は、クリスチャンが地上から消し去られるまで戦うと言っている。
このように殺害されたクリスチャンは、イスラムに改宗しなかったから殺された。欧米のクリスチャンにそれができるのか。リビアで殺されたコプト・クリスチャンたちは殺害される前、イエスの名を呼んで祈っていた。
2009年からナイジェリアでは、カトリック教徒5000人が、ボコハラムに殺害された。これまでに計13000人が殺害され、10万人のカトリックが難民になり、教会350件が破壊された。
しかし、こうした荒廃は中東にいかなくてもみられるようになった。今、ヨーロッパでは、ルクセンブルグでゲイの首相が誕生し、学校教育から宗教的(キリスト教)な学びが、世俗の倫理や世俗の価値観によるものに変わっている。
*スコットランドでは、先週、国民投票により、ゲイの結婚を正式に認めることになった。世界初。
問題は、教会を破壊し、牧師を殺すイスラム原理主義者ではない。無関心で怠惰になった欧米の空気が、イスラム過激派をその気にさせているのである。