ゴラン高原にせまる!? シリア内戦 2015.5.2

火曜、ゴラン高原のイスラエル側に、シリアからの流れ弾が数発飛来し、周辺地域にサイレンが鳴った。その後も、イスラエルとの国境に爆発物が発見されるなど、北部で動きがある。

イスラエルとの国境のすぐ近くで、アルカイダ系だがISISへの忠誠を誓うグループと、アルカイダ系でISISと戦うアルヌスラ、シリア政府軍が、ゴラン高原(シリア側)の支配をめぐって三つどもえの争いをしているとみられている。

Yネット(4/30)によると、このアルカイダ系だがISISへの忠誠を誓うグループが、イスラエル側のキブツ・ジバンからわずか3キロの地点に旗を立てている写真が報じられている。

ゴラン高原には、ドルーズ族がシリア側とイスラエル側に分かれて住んでいる。もしISISがゴラン高原を支配するようになれば、イスラムからの分派であるドルーズは、ヤジーディたちのように、虐殺される可能性が高い。

イスラエルは、シリア問題には、あくまでも不干渉だが、ドルーズたちの動きも含めて、監視を強化している。

<ISISのカリフ・アル・バグダディ、重傷で司令官交代か>

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4652793,00.html

2日のニュースによると、ISISのカリフを名乗っていたアブ・バクル・アル・バグダディが、アメリカ有志軍の空爆で脊椎を負傷して動けなくなり、副司令官のアブ・アラ・アル・アフリが、指揮をとっているという。

しかし、アル・アフリが、まだカリフとして立てられたわけではない。

スンニ派イスラムでは、アリーの血筋に関係なくカリフが選出されるのだが、ほんとうにふさわしいかどうか、最終的に決まるのは容易いことではない。まずは、アル・バグダディが正式に死亡したと認められなければならない。

エルサレムポストによると、イランなどアラブ系メディアが、バグダディはゴラン高原に搬送され、イスラエル人医師によって死亡が確認されたと伝えたという。しかし、これについては政治的な背景がありそうでもあり、信憑性はうすそうである。

www.jpost.com/Middle-East/Iranian-media-Islamic-State-leader-declared-clinically-dead-by-Israeli-doctors-in-Golan-399410 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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