シリアのパレスチナ人キャンプからISIS撤退か 2015.4.17

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4647421,00.html

シリアのダマスカス近郊ヤルムクにあるパレスチナ人難民キャンプをISISが、90%近く占領した事件について。14日のニュースによると、ISISがヤルムクから広範囲に撤退したもよう。

現在、キャンプ内に残っている勢力はアルカイダ系のアルヌスラである。アルヌスラは、ISISとはライバル状態にある。そのアルカイダは、イエメンで、サウジアラビアが、シーア派を空爆しているのに便乗し、イエメン南部の空港などを制圧したとBBCは伝えている。
www.bbc.com/news/world-middle-east-32341836

ヤルムクのパレスチナ人たちの状況は、ISISであろうが、アルカイダであろうが変わりはなく、ホロコースト時代のように、どこからいつ撃たれて死ぬかわからないという地獄のさたとなっているようである。

パレスチナ自治政府は、シリアのアサド政権から、ヤルムク難民キャンプにいるISISを攻撃するとの提案を受けたが、アッバス議長はそれを断った。パレスチナ人がシリア政府軍とISISの板挟みになるだけだからである。

パレスチナ自治政府は、シリア問題には関わらないという方針をとっている。

<リビア沖で難民400人死亡か> http://www.bbc.com/news/world-africa-32314263

イスラム過激派組織が拡大する中、中東やアフリカから地中海をわたってヨーロッパへ逃れようとする難民が、途中で溺死するという悲しい事件が”超”急増している。

BBCによると、今週だけで1万人近い難民が、リビア沖で救出され、イタリアで収容されている。難民船からは400人ほどが行方不明となっており、死亡した可能性が高い。難民船には赤ちゃんらしき小さな子供たちも乗っていた。

また、同じ難民なのに、マリからのイスラムの難民が、ナイジェリアなどからのクリスチャンの難民12人を海へ突き落とした疑いで、イタリア警察は、イスラムの難民15人を逮捕したという。なんとも悲惨な世界である。
www.asahi.com/articles/ASH4K2T7TH4KUHBI00H.html?iref=comtop_list_int_n03

なお、国連によると、昨年だけで、28万人がEUへ違法に入り、少なくとも500人がその途上、地中海で死亡したという。当然、イタリアだけでは対処できず、EUも動かざるをえなくなっている。

詳しい国連の報告はこちら http://www.unhcr.org/552d26569.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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