イスラエルをとりまく国際情勢が、徐々に反イスラエルになっていく中、次期政権が右派か左派になるかで、今後の外交、防衛に大きく関わることになる。そのため政府内部はかなり大揺れとなっており、先行きがみえにくい状態が続いている。
<中道・経済派巻き返し?>
ネタニヤフ首相が右派勢力で固めようとする中、労働党ヘルツォグ党首が、リブニ元法務省と組んだことで、左派勢力が右派ネタニヤフ首相を打倒する可能性が出て来たことはお知らせした通り。
しかし、今、中道もまた巻き返しの可能性があるとのニュースが出回っている。未来がある党のラピード元財務相が、新党クラヌを立ち上げたカフロン氏と組むのではとの動きがあるのである。
両者は、共に社会派である。もし、国民の支持を得る事ができれば、このラピード・カフロン組が、右派も左派も押さえて、最大議席をとることになるという。今後の動きに注目される。
<ユダヤ教政党シャス分裂?>
ユダヤ教政党シャスの元党首エリ・イシャイ氏が、シャスを出て、新党「ヤハッド(一緒)」を立ち上げた。
シャス党では、2010年、汚職問題で服役していたアリエ・デリ氏が釈放されると、当時まだ生存中だったシャス創始者のラビ・オバディア・ヨセフは、党首の座をイシャイ氏からデリ氏に移行させた。以来、イシャイ氏の立場が微妙になっていた。
イシャイ氏は、随分迷ったといいながら、新党立ち上げの記者会見を行った。実際には、カリスマでまとまっているユダヤ教政党シャスが分裂する事はありえない。単にイシャイ氏が出て行ったという感じで終わる気配がある。
一方、デリ党首導くシャス党は、正統派ユダヤ教徒の女性で数々の業績を残しているアディナ・バル・シャローム氏 (故ラビ・オバディア・ヨセフの娘)を取り込むことに成功した。
バル・シャローム女史は、ユダヤ教正統派の女性の間で絶大な支持基盤がある。新党クラヌのカフロン氏が、選挙名簿にスポットを提供し、正統派女性の地位向上をすすめていたという。
しかし、バル・シャローム女史は、女性を選挙名簿に載せないシャス党に残る道を選んだ。これで正統派女性の票はほとんどシャスに流れることになる。正統派女性の地位向上が遠のいたと残念がる声もある。http://www.haaretz.com/news/israel-election-2015/1.632398