安息日の12日、午前中は全国的に静かだった。しかし、正午ごろから、アシュドド、アシュケロン、スデロットなど南部の町が攻撃を受けた。
ネティボットでは、ミサイルが家屋に直撃。16才と19才が、防護室へ逃げる途中、軽傷だったが負傷した。またあわてて階段を駆け下りるときに落ちて負傷した人もいる。
<ヘブロンとベツレヘムに着弾>
このときに発射されたミサイルのうち一発は、イスラエルに届かず、ガザ地区内部のUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の施設を直撃し、炎上させた。
また、夕方6時頃には、エルサレムを中心にユダの山地、低地、死海方面にいたるまでサイレンが鳴った。2発は迎撃ミサイルで撃墜したが、1発はヘブロンに、1発はベツレヘムとパレスチナ自治区に着弾した。
パレスチナ自治区には、迎撃ミサイルも防護シェルターもない。空き地に落ちたとみられ、今のところ、被害の報告はない。
<テルアビブを予告攻撃>
エルサレムでサイレンが鳴った後、ハマスは不敵にもネットで、「今夜9時にテルアビブを攻撃する。」と脅迫した。予告通り、9時になると、ミサイルが飛んで来た。9時といえばプライムタイム。ニュースは、赤い火の玉にようにテルアビブに飛んでくるミサイルを生中継した。
しかし、ハマスも不敵だが、テルアビブ人はその上手を行っている。今日は安息日明けの夜なので、多くの人が町に出かけていたが、ハマスの脅しにも、ミサイルが飛んで来ても、慌てる様子はなく、そのままカフェで食事し、海岸を歩いている。
赤ちゃん連れの人もいる。子連れの人がインタビューされていた。子供に「怖い?」ときくと、「ちょっとね」と言っている。恐るべし、テルアビービー。
なお、この直後、イスラエル軍はガザへの激しい空爆を行っている。
<迎撃ミサイルは1発500万円>
以前に、イスラエルの迎撃ミサイルは、一発100万円とお伝えしたが、継続的に改良が加えられ、現在は、なんと一発5万ドル(約500万円)にまで上がっている事がわかった。
あまりにも額が大きいので、政府筋なども含め、いろいろ問い合わせたが、一発5万ドル(約500万円)というのは間違いなさそうである。
ハマス関係の専門家、ウリ・ロセット博士は、「確かにすごい額だが、もしミサイルがテルアビブのマンションにあたったら、人の命が奪われるだけでなく、被害も5万ドルどころではすまない。アイアンドームにはそれだけの価値がある。」と語った。
*アイアンドーム・システム
アイアンドームシステム(添付図)とは、レーダーと、ミサイル発射基など、3つのパートでなるシステムのこと。都市上空に飛来するミサイルをレーダーでとらえ、軌道を素早く計算して、空中で迎撃する。
目にはみえないが、ドーム型のバリアのように、都市を守っている。このシステムの値段は、一セット5000万ドル(50億円以上)。イスラエルには6-7基あるという。
これに対し、ハマスのミサイルの価格は、ハマス内部での手製でもあるので、正確な数字は不明だが、一発数百ドル(10万円以下の数万円レベル)と言われている。
イスラエルは、ミサイル防衛について、ハマスの100倍近いお金を使わされているため、どっちが勝っているのかわからないとも言われる。
<負傷者について朗報>
昨日、アシュドドのガソリンスタンドで大やけどを負って重傷となっていた男性だが、手術が成功し、手を切断しなくてすんだ。
昨夜ベエルシェバでは、ミサイルが家屋を直撃し、中にいた80歳代の女性ががれきの下敷きとなった。負傷はしたが、無事。これだけの大破の中で、無事に救出されたのは奇跡だった。
はじめまして。
私共、今週16日から観光ツアーでエルサレムとベツレヘムを訪問予定となっております。
日本の外務省の情報では「十分注意」という最低レベルの危険度になっておりますが
現状エルサレムに旅行するのは問題無いのでしょうか?
ご意見お聞かせ下されば幸いに存じます。
問題がないとはいえません。エルサレムにはまだ少ないですが、ミサイルは飛んで来ています。何度かシェルターにもかけこんでいます。ハマスのミサイルは死海や、北はハイファまで、レバノンからもガリラヤ地方にミサイルが来ていて、全国が標的になっています。空港はいつ閉鎖されてもおかしくありません。ガイドの友人によると日本からの7月中のツアーはほとんどがキャンセルになっているようです。旅行会社に相談なさってはいかがでしょうか。