シリアのアサド大統領が、戦況有利として大統領選に出馬を表明していたが、その選挙を6月1日に行うと発表した。260万人以上が国外難民なので投票不可。内戦により大使館を閉じられた国に在住するシリア人は投票できないという状態での大統領選挙である。
しかもアサド大統領以外だれが出馬するというのか。民主主義の茶番と言われているのも無理はない。
シリアでは先週、イスラエルとの国境に非常に近いところで、シリア軍が空爆を行った。アサド大統領は「戦況優勢の見通し」との認識をあきらかにしており、シリア国内での反政府勢力地区への空爆は日々続けられている。
<化学兵器使用の兆候>
シリアで進められている化学兵器の処理は80%が終了したと伝えられている。しかし最近、シリアがまた化学兵器を使用しているとする報告が、イスラエルだけでなく、フランスやアメリカも認めるところとなっている。
ところで、エルサレムに在住するユダヤ人夫妻に聞いたところによると、イスラエル政府は、ガスマスクの配布をやめているという。「その危険がなくなった。」というのが理由。この夫妻も、ガスマスクを持っていなかった。
<仮設に定着をすすめるシリア難民たち:ヨルダン(BBC)>
ヨルダンに逃れたシリア難民は現在、約60万人。難民たちは国連提供のテントに住んでいる。地にひろがっているテント村はかなり広大だ。近々新しいテント村も設立予定である。
ヨルダンの難民キャンプでは、キャンプ内部で独自のビジネスが発展し、ファラフェルなどシリアの食料も販売されているという。学校などの公共施設もある。70%のテントがプライベートのトイレをもっている。違法だが、水や下水をひいたり、電気を引いているものもあるという。
ヨルダンは今月初頭、難民キャンプに近づいてきたシリアの車両を空爆し,ニュースになった。