イスラエルとパレスチナの間で非公開で行われている和平交渉について。仲介に当たっているアメリカのインディク氏が、合意に向かっているとするポイントを一部開示した。
①パレスチナ・ユダヤ難民への補償
それによると、イスラエルの建国によって発生したパレスチナ難民に補償が行われる。また当時、イスラエルの建国によって、アラブ諸国から追放され難民となったユダヤ人がいたが、補償は、そのユダヤ難民も対象となる。
②西岸地区の入植地75-85%は残留
問題の西岸地区の入植地だが、インディク氏によると、75-85%の入植地はそのままの場所に残留となる。その分の土地は、1967年六日戦争勃発前のいわゆる「グリーンライン」を基準に、他の部分の土地と交換される。
入植地のユダヤ人が、西岸地区に残留して将来パレスチナ国家の元にはいるかどうか物議をかもしたが、これについては最終合意まで保留にされることとなった。
インディク氏によると、パレスチナ側は、パレスチナ国家からユダヤ人をすべて追放するという考えはないという。
③ヨルダン渓谷に無人の監視システム?
西岸地区とヨルダンの間(ヨルダン渓谷)について、イスラエルは、治安維持のため軍の駐留を主張し、パレスチナ側はユダヤ人は1人もいてほしくないと主張する問題の地域。
そのヨルダン渓谷については、緩衝地帯として、監視設備付きのフェンスの設立し、アメリカが協力して無人の監視を行うとしている。
エルサレムについては、明確な方向性は示されていない。
和平交渉の期限は4月29日。もう時間があまり残されていない。ここ数週間の間に、アメリカがこの案を正式に提示し、双方に基本理念としてイスラエルはユダヤ人の国、パレスチナはパレスチナ人の国として互いに認めることを求めることになっている。
中東和平のためのカルテット(国連、ロシア、アメリカ、EU)は、その特使である元英首相のトニー・ブレア氏と共に、今日、ドイツのミュンヘンで打ち合わせを行う予定。
<パレスチナ人、ユダヤ人それぞれの反応>
1,パレスチナ人
金曜夜、パレスチナ人とイスラエル人左派の活動家ら300人がエリコ付近の廃屋などを占拠し、ヨルダン渓谷に再び住むと主張している。
2.ユダヤ人(ユダヤ教)-嘆きの壁で、和平交渉反対の祈り集会
28日、エルサレムの嘆きの壁では、パレスチナ人との交渉に反対するユダヤ教徒らが数千人集まり、「政府が、パレスチナ側に土地をわたしてしまうことのないように」との祈りを捧げた。
このイベントを組織したのは、ゴラン高原と西岸地区の入植地を保持しようとする「コメミユット(創立者)」というユダヤ教団体。集会には住宅相はじめ複数の議員も参加していた。