14日午後4時ごろ(日本時間14日23時すぎ)、イスラエル空軍がハマス軍事部門の最高司令官アフマド・ジャバリを殺害し、「雲の柱作戦」と名付けられたガザへの攻撃が始まった。
<ガザ地区被害>
ガザ地区のさながら戦場のような様子が報じられている。現時点でジャバリとその息子を含むパレスチナ人の死者7人。女性と子ども2人も含む。ハマスは、「イスラエルは地獄のふたを開けた。」と言い、イスラエル市内すべての町をターゲットにすると言っている。
<ガザからの反撃>
現時点で、ロケット弾、グランドミサイルなど計83発が、主にベエルシェバとイスラエル南部に向けて撃ち込まれた。迎撃ミサイルが25発撃ち落としている。ベエルシェバでは、市内に着弾して物的被害が出たが、軽傷者が2人のみ。ショックで搬入された人は16人。
今回はじめて、原子力施設があるディモナをねらったとみられるミサイルが付近に着弾したが、被害はなし。なお、バラク国防相によると、万が一に備え、テルアビブまで届くような長距離ミサイルは、作戦の初期段階で空軍がすべて破壊したという。
15日はガザから40キロ圏内の学校は休みで自宅待機となる。病院は万が一に備えて救急体制を整えているとチャンネル2は報じていた。
<ネタニヤフ首相・バラク国防相記者会見>
ネタニヤフ首相とバラク国防相とともに記者会見と行い、「イスラエル南部では先週末から100発以上のロケットやミサイル攻撃を受けた。このようなことは受け入れられない。いったいどこの国が、市民がロケット攻撃を受けてだまっているというのか。
ハマスとその他のテロ組織は、イスラエルを攻撃してガザ情勢をエスカレートさせた。」と語った。また「ハマスは市民をねらって攻撃し、自らの市民の後ろに隠れている。イスラエルは市民は狙っていない。」とも語った。
ガザからのロケット攻撃について、イスラエルから国連へ訴えるのは、今回の分を入れて3回目。ネタニヤフ首相から電話連絡をうけたオバマ大統領は、イスラエルの自己防衛の権利を支持すると答えたという。
<ムルシ大統領、テルアビブのエジプト大使を召還か?>
ハマスの母体は、エジプトのムルシ大統領の出身でもあるムスリム同胞団である。ガザへの攻撃に、ムルシ大統領はいち早く非難声明を出し、テルアビブ在住の、エジプト大使をイスラエルから呼び戻した。
召還が一時的なのか長期の召還になるのかどうかはまだ不明。もし長期召還であれば、両国の和平条約が危機に陥ることを意味する。
ムルシ大統領は、アラブ連合に緊急の会議を開くよう呼びかけると同時に、国連の安全保障理事会にも緊急会議を開いて対処するよう、呼びかけた。