「アラブの春」-市民デモによる中東独裁指導者の転覆の波ーが始まってから、夜安心して寝られないのがヨルダンの国王である。ヨルダン王室は、こうしたデモがヨルダンでも発生しないよう、議会政治の改革を国民にアピールしてきたのだが、今にいたるまで大きな変化がみられず、国民の反発が高まっていた。
こうした流れを受けて、ヨルダンのアブダラ国王は、先週木曜に現在の国会の解散しての改革を宣言。しかし、その翌日の金曜5日、首都アンマンで数千人規模のデモが発生した。市民は、憲法を改正し、王室が単独でもつ権威を減らすよう訴えている。
今回、特に注目されたのが、このデモを指導したのが、ムスリム同胞団だったということである。ヨルダンの政治には昔からムスリム同胞団が大きな役割を果たしてきているのだが、これが同団体の台頭につながるかどうかが注目されている。