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イランの実質最高責任者アリ・ラリジャニ氏とIRGCバシジ長官も
死亡
3月17日(火)、イスラエル軍は、16日(月)のテヘランへの空爆で、現時点で、イラン政権を管理する立場にある、国家安全保障会議議長のアリ・ラリジャニ氏が死亡したと発表。カッツ国防相もこれを認め、その後イランもこれを認めた。

アリ・ラリジャニ氏は、元IRGCメンバーで、故ハメネイ師の元では、側近として、数十年勤め上げたベテランで、ハメネイ師からは、絶大な信頼を得ていた人物である。
ハメネイ師からは、もし同師に何かあった場合は、次の後継者が決まるまで、イラン政権を管理するという役割を与えられていた。
ここまでの信頼を得ていながら、ハメネイ師の後継者として、最高指導者にならないのは、ラリジャニ師が、イスラム教祭司でないからである。
強硬保守派であるラリジャニ氏は、1990年代に文化大臣として検閲を強化した。2005年に大統領に立候補して落選したが、2005年から2020年までの12年間は、国家安全保障会議の議長を務めた。
2006年に、ヒズボラが、イスラエル兵を拉致して殺害したことで第二次レバノン戦争が勃発したが、ラリジャニ氏は、イランからレバノンに来て、これを指揮していた。
また、2015年に、世界諸国との核合意(JCPOA)があったが、その時の核開発アドバイザーは、ラリジャニ氏だった。
最近では、12月末から1月にかけての反政府デモの弾圧と指揮。その後、オマーンが仲介を試みた際、イラン代表を務めたのはラリジャニ氏だった。
ラリジャニ氏が死亡した時、同じ16日(月)のテヘランへの空爆では、IRGCの民兵部隊バシジ(隊員100万人と推定)の長官、ゴラメリーザ・ソレイマニとその副長官、カシム・クレシも死亡していた。
これにより、イスラエル軍は、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師に続いて、政権とIRGCの最高級幹部11人を殺害したことになる。
なお、これらの人物は、単に空爆の下にいて死亡したのではなく、イスラエル軍が得た情報に基づいて、焦点を合わせた攻撃で死亡していたということである。
www.ynetnews.com/article/s1t9tkiqwx
イラン政権への影響は?:反政府デモ隊は出てくるか?
アリ・ラリジャニ氏は、今のイラン政権とIRGCを実質的には管理していた人物である。さらに、IRGCバシジ部隊のソレイマニ長官も死亡した。
イスラエルのミスガブ国家安全保障・シオニスト戦略研究所の所長、ベン・シャバット氏は、イラン政権は、前例のない危機に直面していると語っている。しかし、イランからのミサイルが続いており、政権がまだ終わったわけではない。
ハメネイ師の後継者として選ばれたマジタバ師は、負傷してどこまで動けるのかは不明という状態である。
だいたい、ハメネイ師は、世襲性に合意していなかったため、マジタバ師は後継者候補には挙げていなかったのである。
マジタバ師は、16日(月)に、国営放送を通じて2回目の声明を出したが、今回も代読で、姿は出していなかった。
シャバット氏は、今、イラン政権を主導しているのがだれなのかはわからないと語っている。
www.ynetnews.com/article/sklm3j8511x
イスラエルは、政権が大きく弱体化している今、イラン国内の反政府勢力が再び立ち上がることを期待している。
3月17日(火)は、イランのゾロアスター教の祭りの日で、イスラム教政権に反発する勢力がデモを起こす可能性がある日でもある。
ネタニヤフ首相は、この日に先駆け、反政権デモを起こしたイラン市民たちに向けて、「火の祭りを祝おう」と、デモを呼びかけるメッセージを発していた。
世界中のイラン人がラリジャニ氏死亡に歓喜の叫び
ラリジャニ氏の死亡を受けて、海外在住のイラン人たちが歓喜する様子も伝えられている。
石のひとりごと
イランはここからどうなっていくのか。見守るしかないが、今の強硬で、死を賛美する政権が完全に取り除かれ、新しく多様性に柔軟で、地域と共存を望む政権が立ち上がることを祈るのみである。
