深刻化する反イスラエルの流れ:アメリカとヨーロッパで相次ぐシナゴーグへの暴力 2026.3.14

Police tape hangs outside the Temple Israel synagogue March 13, 2026, in West Bloomfield Township, Mich. (AP Photo/Paul Sancya)

イランとの戦争が続き、原油が不足するという世界的な経済危機が広がりつつある中、その原因を作ったとされるトランプ政権とイスラエルへの反発が、アメリカ国内とヨーロッパで拡大している。

3月12日、アメリカ、ミシガン州のシナゴーグ、テンプル・イスラエル・シナゴーグに、トラックが正面玄関から突入。運転手はすぐ降りて、シナゴーグの中を走り抜けようとして警備員たちと衝突し、死亡した。トラックは炎上し、シナゴーグも一部が火災で損害を受けた。

このトラックに1人が轢かれて病院に搬送されたが、回復に向かっているとのこと。シナゴーグには、幼稚園が併設されており、事件当時も、幼児数十人と、その保護者など140人ほどがいたが、全員無事とのこと。

犯人は、レバノン人で、2011年からアメリカへ移住していた、アイマン・モハンマド・ガザリ(41)。報道によると、ガザリの兄弟2人はヒズボラのロケット部隊隊員だった。その2人を含む、ガザリの姪や甥などを含む家族の複数人が、イスラエル軍の攻撃で死亡していたとのこと。その復讐が動機だった可能性がある。

www.timesofisrael.com/michigan-synagogue-attacker-was-us-lebanese-citizen-with-relatives-said-killed-in-idf-strike/

これに先立ち、先週6日(金)、カナダのトロントでは、2つのシナゴーグで、銃撃テロが発生していた。幸い、誰もいなかったため、死傷者は出なかったが、カナダのユダヤ人の間でも警戒感が広がってる。

www.timesofisrael.com/every-light-is-flashing-after-shootings-at-synagogues-canadas-jews-fear-whats-next/

ヨーロッパのシナゴーグも標的になっている。ドイツ、イギリスなどヨーロッパでは、2年半前のハマス襲撃から、すでに、反ユダヤ主義暴力が増加していたが、イランとの戦争が始まってからは、さらにその脅威が高まっている。

www.euronews.com/2026/03/12/iran-war-fuels-further-threats-to-europes-jewish-communities-experts-warn

ベルギーのリエージュ市のシナゴーグでは、9日(月)、午前4時ごろ、シナゴーグ前で爆発が発生。向かいの家の窓ガラスが破損した。早朝でもあり、負傷者なかった。

www.bbc.com/news/articles/c39wy142j8ro

続いて、11日(水)には、ギリシャで、13日(金)には、オランダのシナゴーグが放火された。

また、本日14日(土)早朝、オランダのアムステルダムでは、ユダヤ人学校で爆発が発生。警察と消防が駆けつけ、被害は限定的で、負傷者もなかった。

www.theguardian.com/world/2026/mar/14/deliberate-attack-explosion-damages-jewish-school-in-amsterdam

こうした中、エルサレムポストが伝えたところによると、アシャブ・アル・ヤミンと名乗る一派が、ヨーロッパのシナゴーグ3件については、襲撃の犯行声明を出した。初耳の組織だが、彼らの犯行クリップを、IRGCが拡散していたことから、IRGCとの関係も疑われている。

アシャブ・アル・ヤミンは、右派の仲間と訳される。いわゆる政治的な右派ではなく、正義、後世という意味のことばだという。正義感を持って、ユダヤ人を捌くと主張しているかのようである。

またその団体のロゴは、IRGCと、イラクのヒズボラ、レバノンのヒズボラといったイラン傀儡の特徴を表しており、無関係とは言えないとのこと。

www.jpost.com/diaspora/antisemitism/article-889859

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。