平和評議会発足:ガザ復興に170億ドル出資表明 2026.2.21

US President Donald Trump (C), flanked by US Vice President JD Vance (L) and US Secretary of State Marco Rubio (R), joins leaders for a group photo during the inaugural meeting of the Board of Peace at the US Institute of Peace in Washington, DC, on February 19, 2026. (SAUL LOEB / AFP)

ガザの厳しい現状

ガザでは、まだイスラエル軍がイエローラインまで駐留しており、ハマスとの衝突が続いている。人質がもういないイスラエルは、ガザ全土への空爆も行っている。

Gaza City, Jan. 7, 2026. (AP/Abdel Kareem Hana)

ハマス保健省によると、昨年10月に、停戦になってからだけで、すでに570人(民間と戦闘員区別なし)が死亡したと言っている。

問題はハマスの武装解除だが、ハマスが応じるかどうかはまだ不明であることと、今後立ち上がる

予定のガザ文民による管理組織(NCAG)にハマスが関わらないという保証はまだない。

またNCAGは、パレスチナ自治政府とのつながりがあり、象徴となるロゴマークに自治政府と同じものを使っており、ガザ復興に自治政府参加を認めないとしているイスラエルが反発している。

しかし、NCAGは、平和評議会発足に先立ち、そのロゴを維持したままで、ガザの治安維持のためのパレスチナ人による警察官を募集。多くが応募したとのこと。

この警察官は、まず5000人が、イスラエルの審査を受けたあと、エジプトとヨルダンで訓練される予定で、最終的には、1万2000人になる計画である。

解決にはまだまだ問題がありすぎるというのが、現状である。この状態では、まず、イスラエルがガザから撤退することはないだろう。

平和評議会発足

ガザの現状はまだまだ厳しいが、2月19日(木)、ワシントンでは、平和評議会(Board of Peace)の第一回目が開催され、正式な発足となった。

参加したのは、イスラエルを含め、加盟を表明している28か国と、オブザーバーとして参加した約50カ国の代表たちである。トランプ大統領は国家首脳を招いていたが、多くは、上級代表の派遣にとどまっていた。

ヨーロッパ諸国で加盟しているのはハンガリーのみである。ハンガリーからは、オルバン首相が出席していた。

加盟国の多くは、イスラエルに敵対するアラブ諸国である。その中で、イスラエルは、加盟国として、ギドン・サル外相を派遣していた。記念写真の際、サル外相が、現時点では正式な国交がない、カタールのアル・サーニー首相の隣に立たされていたことが話題になっていた。

日本からは、大久保ガザ再建支援担当大使が、オブザーバーとして出席していた(外務省FB)。

式典の中では、最高責任者のトランプ大統領が1時間以上もメッセージを発進していた。トランプ大統領は、今後、この評議会が、世界で最も重要なパネルになると語った。ハマスについては、武装解除すると主張した。

ガザ復興のビジョン:加盟国のガザ再建出資は170億ドル

1)ガザ復興ビジョン

Gaza City port on Friday, Feb. 20, 2026. (AP Photo/Abdel Kareem Hana)

ガザ復興にあたっては、まず7000万トンと言われる瓦礫を除去しなければならない。この瓦礫の中には、不発弾も含まれており、容易なことではない。

それも含めて、具体的なガザの復興計画を、イスラエル・キプロス系の不動産の大物ガバイ氏が発表した。

まず、数百マイルにおよぶハマスの地下トンネルも破壊する。それから、インフラ整備を進めて、学校や、病院、道路、技術拠点などを整備し、200のホテルを建てる。地中海に面するリゾート地にするというのがビジョンである。

また、執行委員マーク・ローワン氏が、ガザ難民に関する計画を発表。まず第一段階として、ラファに仮設住宅10万軒を建て、50万人が住めるようにする。その後、ガザの他の地域に4万軒の住宅を建てる。

目標としては、ラファを3年以内に再建し、イスラエルとアラブ諸国のアブラハム合意の接点になるビジョンとしている。

また最終的には、10年で、ガザが完全に自立するとも言っている。

2)復興への出資

トランプ大統領は、この評議会を発足させるにあたり、重要な役割を果たしたい国は、出資するよう呼びかけていた。

まずアメリカは、100億ドルを出資すると表明。このほか、カザフスタン、トランプ氏はカザフスタン、アゼルバイジャン、UAE、モロッコ、バーレーン、カタール、サウジアラビア、ウズベキスタン、クウェートが出資を表明したと述べた。

UAE、カタール、サウジアラビア、クウェートは、それぞれ10億ドル以上。国連人権支援調整事務局は、20億ドルを出資するとトランプ大統領は表明した。現時点で170億ドルである。

さらに、FIFA(世界サッカー連合)が、7500万ドルを出資し、ガザにサッカースタジアムなどを作ると手を挙げている。

なお、世界銀行、EU、国連が共同で発表した報告書によれば、ガザの復興の総費用は350億ドルを超えると予想されている。

ISF(国際安定化部隊)3万2000人

トランプ大統領のガザ復興20項目によると、NCAGの働きを守るため、ISF(国際安定化部隊)を派遣することになっている。

ISF Commander Major General Jasper Jeffers (R) February 19, 2026, in Washington, DC. (Chip Somodevilla/Getty Images/AFP)

これまでに、出兵に協力すると表明した国は、インドネシア(8000人)、モロッコ、カザフスタン、コソボ、アルバニア、トルコで、これらの国から派遣された兵士は、アメリカの中央司令部のジャスパー・ジェファーズ特殊作戦司令官の指揮下に入る。

Times of Israel によると、兵力は現時点で3万2000人。このうち2万人は、5旅団に分けられ、まず、最初の避難民仮設住宅地となるラファに派遣されるとのこと。

www.timesofisrael.com/trump-announces-17-billion-in-pledges-for-gaza-at-board-of-peaces-inaugural-confab/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。