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ミュンヘン安全保障会議にパーレビ皇太子も参加:25万人が反イラン政権デモに参加
イラン政権がアメリカとの対立に強行姿勢を続ける中、レザ・パーレビ元皇太子が、世界中のイラン人に、“グルーバル・アクション・デイ”を呼びかけ、2月14日(土)、世界各地の大都市で大規模な反イラン体制デモが発生した。デモ隊は、各地で、現イスラム政権の打倒を訴えていた。
特に、世界の首脳たちが集まって、第62回ミュンヘン安全保障会議(2月13-15日)が開催されている最中のドイツのミュンヘンでは、レザ・パーレビ氏自身が来ていたこともあり、推定25万人が集まっていた。ミュンヘン史上最大のデモとなった。

デモ隊は、主にイランの国旗や、パーレビ皇太子の写真を振っていたが、中には、トランプ大統領写真、ドイツはじめ、イスラエル、ウクライナなど様々な国旗も見られた。
参加した人々は、オーストラリア含め遠方から、このデモのために駆けつけていた。
レザ・パーレビ氏は、ミュンヘン安全保障会議の分科会で演説を行い、イラン国内外のイラン市民を助けてほしいと訴えた。

また、イラン政権に対峙しているアメリカのトランプ大統領について、「あなたは今、軍事力を持って残虐なイラン政権の時は終わりに近づいているとのシグナルを出している。
イラン市民はあなたを信じている。あなたは、イランの歴史に覚えられるだけでなく、世界の歴史に偉大なヒーローとして覚えられるだろう」と語った。
*ミュンヘン安全保障会議

1963年から毎年、ミュンヘンで開催されている国際会議。首脳、国防省、外相など100カ国以上から代表が集まる。日本からは、茂木外相が出席。
今年の主な論点は、トランプ政権と国際室序問題、ウクライナ問題、人工知能などが話し合われた。ルビオ国務長官が、世界の紛争を前に、国連が、機能不全に陥っていると指定していた。G7が、それぞれの紛争地帯に関する共同声明を出していた。
レザ・パーレビ氏の立場とイラン市民の理解:暫定政権の用意はある
こうした状況から、世界は、レザ・パーレビ氏の目的は何かに注目する。イランでパーレビ王朝を再建し、自分が指導者になろうとしているのではないかなどである・
チュニジア在住でイラン人治安専門家サラ・バズーバンディ氏によると、レザ・パーレビ氏は、パーレビ王朝を再建する野望はないことを繰り返していると強調する。
今は、現政権を打倒しようとするこの運動を支持し、現政権打倒後は、人々の要請に応じて、暫定政権を立ち上げ、イラン市民たちが民主的に指導者を選ぶ、潔白な選挙を行えるようにするとしている。前王朝が復活するかどうかは、イラン市民が決めると言っているとのこと。
しかし、バズーバンディ氏によると、イランには、現在、パーレビ氏以外の指導者はみあたらないとのこと。
今、イラン市民は、熱狂的にパーレビ氏個人を支持しているのではないが、暫定的な立場を担う存在として支持しているのであり、それ以後のことは、パーレビ氏自身も語っているように、国民が決めていくことなのである。
したがって、世界が懸念しているような、指導者なしでのバラバラのデモ活動をしているのではないとも強調している。
これほど多くのイラン人が、遠方からもミュンヘンに集まったことについて、バズーバンディ氏は、今イラン国内では、政府による厳しい弾圧で、デモができなくなっている。このため、比較的発言が自由な海外にいるイラン人たちが、「イラン人の声」を発する義務があると感じていると語っている。
なお、イラン政府による弾圧で死亡した市民は、数万人という報告もあったが、最終的には、アメリカの人権ニュースエージェンシー(HARNA)が、6872人(子供150人含む)としている。イラン政府は、昨年末からの内乱で死亡した市民は3000人だったと認めている。
www.bbc.com/news/articles/czr0lykl4g4o
ミュンヘン以外の世界都市でもデモ
ミュンヘンで大規模なデモが発生した2月14日(土)は、世界の都市でも同様のイラン人たちのデモが行われた。ディアスポラのイラン人が最も多く居住する、アメリカのロサンゼルスでも、数万人が参加する中、パーレビ氏の娘ノール・パーレビ氏が演説した。
カナダのトロントでは推定35万人が集まっていた。
www.bbc.com/news/articles/czr0lykl4g4o
東京でもイラン人たちが、台東区でのデモをXで呼びかけていたが、ニュースにはとりあげられていなかった。
しかし、1月中には、日本在住のイラン人4人が、イラン大使館前で抗議したとのニュースがあった。この日、大使館からは何の反応もなかったという。
4人のうちの1人は、東京都港区で警備会社を経営するイラン人のホセインプール・アリさん(59)昨年末の政権との混乱の中で、甥(20)をイランの治安部隊に射殺されたとのこと。
今のイランにおける混乱で、輸入食品店や、イラン旅行など、日本で事業をするイラン人たちのビジネスにも影響は避けられないとみられている。アリさんは、日本人や他の国の人々にもイランで、今起きていることに関心を持ってもらいたいと語っている。
www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20260117-GYTNT00277/
イラン国内からも反政権のスローガン再び
世界で大規模なデモが発生した翌日15日(日)、テヘランはじめ、各地で、「独裁者に死を」「ハメネイに死を」と、反政府のスローガンを叫ぶ声の様子が聞かれており、一部は、ネット上にアップされていた。
Residents in the central Iranian city of Arak chanted anti-government slogans, including “Death to Khamenei” and “Death to the dictator,” from their homes on Sunday evening.pic.twitter.com/YFYJoiRiX7
— Iran International English (@IranIntl_En) February 15, 2026
www.timesofisrael.com/new-anti-government-chants-reported-across-iran-after-major-rallies-abroad/
石のひとりごと
今のイラン政権が崩壊したら、アフガニスタンのように混乱になるのではないかとの質問を受けたことがある。
イランは、先進国である。国民には、教育も十分にあり、民主的な考えもある。特に今回のニュースでわかるように、海外で活躍するイラン人も相当おり、少数だが、イラン人の知人たちの様子からも、イラン人たちの知的レベルは相当高いと思う。
このため、今のイラン政権が打倒された場合、アフガニスタンのような多種多様なテロ組織の権力争いという形にはならないのではないかと思う。
しかし、先日のイラン革命47周年イベントでは、シーア派風の大群衆が参加していた。過激なシーア派もいるが、強権政治であるだけに、この人々がどのぐらい、本気なのかはわからない。
かつて、2003年のイラク戦争の時、フセイン政権が倒れるやいないや、サダム・フセインの像をぶち壊す人々がいたようなことにもなるかもしれない。
イランが、先進国であり、市民の知的レベル、パーレビ王朝時代の多様で民主的な背景からも、イラン人自身が、今の強硬なイスラム政権を打倒し、民主的な国を立ち上げることできるよう祈る。
