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新START(新戦略兵器削減条約)失効
アメリカとロシアの間で合意されていた、新START(New Strategic Arms Reduction Treaty)新戦略兵器削減条約が、2月5日(木)期限切れを迎えた。今の所延長や新たな合意の情報はない。
今後、アメリカとロシアに加えて、中国が急速に核兵器数を増やしていることから、トランプ大統領は、次のこの条約には、中国を含めるべきだと主張した。
中国は、この条約の失効には遺憾を表しながらも、トランプ大統領が提示する新たな核軍縮交渉には、参加しないと表明した。
今後、核兵器含め、世界の武器製造にブレーキがかからなくなる危険性が指摘されている。
また、この翌日にあたる本日6日(金)、アメリカとイランが、オマーンで、イランの核開発を中心に交渉を開始することになっている。なんとも微妙なタイミングである。
*新START(新戦略兵器削減条約)とは
www.nikkei.com/article/DGXZQOCB055970V00C26A2000000/
アメリカが、広島と長崎に最初の核爆弾を投下した第二次世界大戦が終わってから、世界では、核兵器製造が進む一方であった。このため、1970年に核保有国となっていた、
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国が、核拡散防止条約(NPT)を締結、発効した。これまでに日本を含む191カ国が締結している。(インド、パキスタン、イスラエル、南スーダンは非締約)
しかし、その翌年には4万発以上、1986年には7反発以上と増え続けたことから、1987年に米(レーガン大統領)ソ(ゴルバチョフ書記長)は、中距離核戦力廃棄条約(INF)を締結した。
1991年に、旧ソ連が崩壊する。この年、アメリカとロシアが、最初のSTART(戦略兵器削減条約)を締結。両国は、長距離核弾頭の数は、6000発まで削減することで合意した。

これが2009年に失効し、その翌年の2010年に、米(オバマ大統領)露(メドベージェフ大統領)の間で、新STARTが締結された。
その後、2015年、イランの核兵器が問題となり、欧米露中を含むJCPOAが、イランとの間で締結する。
しかし、その翌年に第1期目に就任したトランプ大統領は、2018年、JCPOAから離脱を宣言。さらに同年、アメリカは、ロシアの違反を理由に、ロシアと締結していたINFからも離脱した。
その後、バイデン大統領に代わると、2020年、プーチン大統領とともに、新STARTで可能とされていた延長5年で合意した。そに 5年が経過したのが、今年2月5日(木)であった。
現在の世界にある核の現状:これからどうなる?
新STARTで決められていたことは、アメリカもロシアも戦略核弾頭を1550発までにすること、またその弾頭を装着して飛ばす能力のある大陸間弾道ミサイル(ICBM)を双方とも800基まで、潜水艦弾道ミサイル、銃爆撃機などを双方700基までにするという内容であった。
しかし、Statistaによると、当初の4万や7万発からはかなり減ったものの、2025年時点で、世界9カ国に核弾頭が9614個ある。
最大は、ロシアの核弾頭は4309発、アメリカは3700発。いずれも目標の1550発に到達できていない。
両国に続く中国は2024年から100発も増やして、600発になっている。今後も増加させることが懸念されている。
欧米意外の国で、インド180発、パキスタン170発、イスラエル90発、北朝鮮50発となっている。
www.statista.com/chart/8301/the-countries-holding-the-worlds-nuclear-arsenal/
新STARTの延長は5年までとなっていたので、もう延長はできない。ロシアは、この1年、アメリカの延長を呼びかけたが、アメリカが応じなかったとアメリカのせいにしている。
一方、トランプ大統領は、新たな条約では中国を入れるべきだと考えていたとのことだが、中国はこれを受け入れていない。核大国3国がばらばらである。
現在も1970年の核拡散防止条約(NPT)は、一応継続はされているが、実質的な力がものを言う時代に、効果はどうなのか不明である。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03BP70T00C26A2000000/
www.cnn.co.jp/world/35243550-2.html
石のひとりごと
2月5日に新STARTが失効した直後の今日6日(金)、オマーンで、アメリカが、イランの核問題に関する交渉が行われている。この状態で、イランは核問題縮小に応じるだとうか。なんとも最悪のタイミングにもみえる。
しかし、今後、ロシアも中国、また北朝鮮も大手を振って核開発を進めるかもしれない。こうした中、アメリカとの関係がギクシャクするヨーロッパ諸国、特にイギリスからはじまって、中国に接近していることが指摘されている。
最近の異常気象とともに、世界の秩序の変化も見え、終末感がただよっている感じがする。
1月に発表された世界終末時計では、世界の終焉までの時間は、昨年から4秒進んで、あと85秒と発表されていた。これまでで最も終末に近い時間である。
