トランプ大統領の平和評議会発足:ガザのマスタープラン提示 2026.1.23

US President Donald Trump holds the charter during a signing ceremony on his Board of Peace initiative at the Annual Meeting of the World Economic Forum in Davos, Switzerland, January 22, 2026. (AP Photo/Markus Schreiber)

平和評議会発足

トランプ大統領は、1月22日(木)、国連の対抗馬かとの物議を醸す中、ダボス会議において、予定通り、平和評議会(Board of Peace)を発足させた。この時点で参加を表明した国々の代表者が、その憲章に署名を終えた。

トランプ大統領が招待した59か国のうち、今の時点で参加を決めた国は、アルバニア、アルゼンチン、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレン、ベラルーシ、ブルガリア、エジプト、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、ヨルダン、カザフスタン、コソボ、モンゴリア、モロッコ、パキスタン、パラグアイ、カタール、左憂アラビア、トルコ、UAE、ウズベキスタン、ベトナム。

常任理事国になるための10億ドルをどの国が払ったのかは不明。

一方、明確に参加を断った国は、イギリス、フランス、ノルウェー、スエーデン、スロバキア

これらの国々は、この平和評議会の憲章にガザを表示しておらず、国連に対抗する野望が見えるとして参加を見送っていた。ヨーロッパ諸国は、今はおおむね懸念の方が強そうである。

ロシアは、アメリカからの経済制裁を受ける中で、参加に招待されていた。トランプ大統領が、常任理事国になる条件として、10億ドルの投資と言っていることに対し、プーチン大統領は、狡猾にも、アメリカで凍結されているロシアの資産から払ってもいいなら参加すると返答したとのこと。

中国、また日本など、この時点ではまだ参加を決めていない国々は、様子をみながら、参加するか否かを決めるとみられている。

www.nbcnews.com/world/europe/trump-board-of-peace-countries-davos-cost-nato-what-know-rcna255433

ガザ行政委員会(NCAG)のアリ・シャース氏ビデオメッセージ:来週ラファ検問所オープンと

ガザで行政を担当するパレスチナ文民のアリ・シャース氏がビデオでメッセージを語った。

シャース氏は、アメリカはじめ、ガザの新しい歩みの始まりを実現した世界の指導者たちに感謝を述べている。また、過去ではなく将来を見て、ガザを立て直していくとして、世界に協力を呼びかけている。

なかなかの感動のクリップだが、制作したのはホワイトハウスである。セリフもアメリカが監督したものだろう。ガザ行政委員会は、アメリカが主導する平和評議会の監督の元に置かれることを象徴づけるようでもある。

注目されたのは、この中で、シャース氏が来週、エジプトとの国境ラファが、出入り双方向で解放されるということである。イスラエルはこれに一旦、合意していたが、最後の人質、ラン・グビル軍曹の遺体がまだ返還されていないことから、解放を拒否していた。

来週からどうなるのか、注目される。

www.timesofisrael.com/flanked-by-world-leaders-in-davos-trump-launches-his-board-of-peace/

発足式でハマス武装解除が条件と強調・具体的な計画も発表

1)ハマス武装解除は条件

この発足式では、国際社会から、国連の対抗馬だとの懸念が出ていることを受けて、ルビオ国務長官が、この評議会ではまず、ガザにおける停戦合意が恒久化することに焦点を当てると述べた。

そのための条件はまず、ハマスが武装解除することだとも述べた。トランプ大統領は、もしハマスがその約束を守らない場合は、ハマスは終わることになると述べた。

2)ガザでのマスタープラン提示:クシュナー米上級顧問

平和評議会の目的はまずは、ガザでの停戦と復興である。この会議において、ホワイトハウス上級顧問のクシュナー氏は、ガザ地区を華やかなリゾート地にする計画、マスタープランを発表した。

ハマスの武装解除と地域の非武装化が前提であり、妥協したプランBはないと強調した。

クシュナー氏が言うマスタープランとは、ガザの自由市場経済の原則を持ち込むものである。

クシュナー氏は、これまでガザ地区は、国際社会からの支援で85%の経済を回していたが、それはもう不可能だと述べ、リスクはあるとしながらも、世界に投資をよびかけた。投資目標は250億ドルと設定している。

目標としては、10年以内に、ガザのGDPが100億ドルになること。雇用を100%にすることで、1世帯での年間平均所得は1万3000ドル(約200万円)としている。

クシュナー氏は、ハマスが武装解除に応じれば、3年以内にこの計画を完成させる可能性があると表明した。

石のひとりごと

ガザの改革。現時点では、まだまだ不可能にしかみえない。絵に書いた餅と言う方が現実的かもしれない。世界は今、トランプチームが何を達成するのか、あまり期待なく見ているようである。しかし、ガザの人々を思えば、なんでもいいから、今とにかく、これが成功してほしいとも思う。

別記事で、エルサレムの祈りの家、スカット・ハレルのリック・ライディング牧師が、イランを頭とする霊的な壁が崩れるように祈ることを呼びかけていた。ガザも同様に、ハマスという壁が落ちることを祈る。

ガザは、2007年にハマスの支配に入ってから、まさに地獄の日々だった。ハマスの息子で知られるモサブ・ハッサン・ユーセフさんは、ガザから出たあと、救いに導かれていたことを思う。彼は今この状態をどう見ているだろうか。

ユーセフさんは、ガザ出身者のみならず、ハマス指導者の息子であったにもかかわらず、そこから出て、救われたことで、主とイスラエルの関係も理解する人になった。ガザの人々もサタンから解放され、目が開かれたら、本当の神である主につく者に変えられる可能性が出てくる。イスラエルとも平和に歩める唯一の道である。

それは人にはできないことですが、神はそうではありません。どんなことでも、神にはできるのです。(マルコの福音書10:27)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。