トランプ大統領は、国際社会の中で、ガザでのパレスチナ文民による管理体制の立ち上げや、復興支援を見守る「平和評議会」を立ち上げる計画を表明している。
この評議会は、ガザ問題を取り扱う国際委員会で、アメリカが主導する。昨年11月に、2027年を任期として、国連安保理も認めたものである。
1月19日(月)23日(金)まで、スイスのダボスで行われる世界経済フォーラムに、トランプ大統領が出席するのに合わせて、22日(木)に発足、署名が計画されている。
これに先立ち、アメリカは、60か国に招待状を送付した。
🚨Trump's Board of Peace charter signing ceremony: Thursday 10:30am in Davos pic.twitter.com/155SrdeyvQ
— Barak Ravid (@BarakRavid) January 19, 2026
これまでに参加を表明した国は、エジプト、トルコ、カタール、アルゼンチン、カナダ、パキスタン、ヨルダンと、ヨーロッパからはハンガリーである。
しかし、報道によると、この平和協議会に、正式な参加を決めて署名する国は、予想より少ないとの見通しが報じられている。それは、トランプ大統領が、国連を飛び越して、“トランプ国連”にしようとしているとの疑惑が世界に広がっているからである。
この評議会は、トランプ大統領が終身でトップを務め、ルビオ国務長官などアメリカの担当者が指揮する形になっている。
招待状には、独自の“憲章”も書かれており、10億ドルを供出する国は常任理事国として3年以上、任務にとどまることができるが、その他の国は、3年で任期は終わるとしている。まるでもうひとつの国連安保理のようである。
またトランプ大統領は、当初、この評議会にガザという文字をつけていなかった。ウクライナなど、他の世界の問題も取り扱うシステムにしようとしていた可能性があった。驚いたことに、トランプ大統領は、今世界では問題児と目されているロシアと中国にもこの招待状を送っていた。
こうしたことから、「この平和評議会は、国連憲章を無視した、トランプ国連だ」とも言われ、ヨーロッパ諸国からは、参加への良い返事はまだ得られていない。
特にフランスは、ガザ関係という枠組みを超えているとして、参加は見送ると表明した。するとトランプ大統領は、フランスのワインとシャンパンに関税200%をかけると、報復の表明を出した。
実際のところ、近年、国連では、多数決は正解を出すという原理が壊れ、大国の意思だけが通るようになって、国連の機能不全とともに、その意義が問われはじめている。
トランプ大統領が新たな形を創造しようとした可能性もあるが、世界を力で支配する形をすんなり受け入れられるほど現実主義になれる国は、そう多くはないのではと思う。
なお、イスラエルは、こうした動きの中に、明らかにハマスの支援国であるトルコとカタールが含まれていることに激怒している。平和評議会への招待状は、イスラエルも届いたとのことだが、果たしてネタニヤフ首相は同決断するのだろうか。ガザ復興への計画は、その第一歩目からもう壁にぶつかっている感じである。
