ネタニヤフ首相とトランプ大統領会談:最後の遺体人質ラン・グヴィル軍曹家族とも会談 2025.12.31

Amos Ben-Gershom (GPO)

12月29日(月)、トランプ大統領の招きで、ネタニヤフ首相が、アメリカ、フロリダ州に渡航した。

到着と同時に、ネタニヤフ首相とサラ夫人は、まだガザに遺体が残されている最後の人質、ラン・グビル軍曹の両親と会談した。

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家族としては、最後の遺体が戻る前に、ガザが第二段階に進むことを阻止してもらいたいということである。

ネタニヤフ首相は、グビル軍曹の遺体を取り戻すためのあらゆる努力をしていると家族に伝えた。家族はトランプ大統領とも面談した。

その後、ルビオ国務長官と会談、続いてヘグセス国防長官と治安間関係者と会談後、トランプ大統

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領との直接会談を行った。

主なトピックはガザとイラン、またイスラエルの過激右派が、西岸地区で強硬な暴力に出ていること問題などである。

ガザについて、現時点では、両者は完全に一致しているわけではない。

トランプ大統領は、国際部隊がガザに入って、停戦を維持しながら、パレスチナ文民による統治を整える第二段階に1日でも早く進みたいと考えている。

しかし、ネタニヤフ首相は、最後の人質である、ラン・グヴィル軍曹の遺体が戻ってくるまで、第一段階を終わらせるわけにはいかない。

また、トランプ大統領の計画では、本当にハマスが完全武装解除して、ガザ統治に関わらないことが確約されていない。これはイスラエルが受け入れられない点である。これが実現しないうちは、イスラエル軍がガザから撤退することはないだろう。

これについて、トランプ大統領は今回、「ハマスは非武装化するべきである。しなかったら、非常に近い将来、ひどいことになる」と表明し、イスラエル側をでも報じられていた。

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ガザに駐留する多国籍軍による国際安定化軍については、その中に、トルコが含まれる可能性があることが、イスラエルには問題である。トルコは明確にハマスの支援者だからである。いろいろな点で、今、トランプ大統領と、ネタニヤフ首相が、完全に同じところに立っているとは言えない。

一方、トランプ大統領は、西岸地区で過激右派ユダヤ人入植者が、パレスチナ人を追放するべく、暴力に出ていることをやめさせたい思いもある。しかし、ネタニヤフ首相は、過激右派に支えられているので、これを大目にみるという姿勢を変えることは難しいだろう。

こうした中で、今回の会談が行われているわけである。二人の様子からは、意見の違いについて、話し合いをするというよりは、トランプ大統領が、国内では裁判にかけられるまでになっているネタニヤフ首相に恩を売りながら、アメリカに譲歩を余儀なくさせようとする気配を指摘する記事もある。

トランプ大統領は、ネタニヤフ首相を歓迎し、ビビ(ネタニヤフ首相)は、非常の難しい中で国を導いていると称賛。改めて、ヘルツォグ大統領に対し、今ネタニヤフ首相が訴えられている様々なことに対する「恩赦」を求めると述べた。

続いて、トランプ大統領は、自身の取り計らいで、生存する人質全員と、遺体もほぼすべてが戻ってきたことを取り上げ、自身のイスラエルへの貢献を、ネタニヤフ首相とアメリカ国内、また世界に向けてもアピールした。

実際のところ、ネタニヤフ首相にとって、このアメリカ訪問は、大きな助けになったと考えられる。国内ではカタールゲート問題で、国民から非難と辞任を求める声が深刻になりつつある。

その中で、トランプ大統領が、ネタニヤフ首相は、今イスラエルに必要な人材だと後押ししてくれたからである。

訪問の際、イスラエルの教育相が、トランプ大統領に、イスラエルのユダヤ人を助けた人に送られる最高の栄誉とされる、「イスラエル賞」を授与すると伝えた。授与式は2026年4月の予定である。

会談の後の共同記者会見で、トランプ大統領は、様々な意見の違いはあるが、これから何を見て、どこに向かうのか、多くの結論に達したと述べた。

石のひとりごと

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結局のところ、イスラエルはアメリカという友人を失い得ないところに立っている。

トランプ大統領からも、イスラエルを支援しようという思いはあると感じる。まだまだ意見に違いがある中、友好関係は崩れていないと思う。

こうして両首脳が共に、実際に時間を過ごすことで、関係はさらに深まったことと期待する。両者の祝福を祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。