西岸地区からの侵入警告が現実に:ベイトシャン地域で連続テロ・イスラエル人2人死亡 2025.12.27

ヨルダン川西岸地区とイスラエル領内の間には、8メートル以上にもなる有刺鉄線つきの壁がある。しかし、最近、特にエルサレム付近の防護壁が弱体化しており、補強が必要な壁が61%に上っていると言われていた。また、数キロにわたって、実質、防護壁がない状態になっているとも警告されていた。

こうした中、真昼間から、壁を超えて不法入国するパレスチナ人が目撃されるケースが増えており、ガザでの10月7日のようなことが、イスラエル領内でも起こるのではないかとの警告が出るようになっていた。

さらに、ガザ戦争が始まってから、イスラエルに入れなくなって以来、ブローカーによる不法入国(手数料300―600シェケル)が、横行しており、治安当局によると、最近では、週に3000〜5000件と倍増しているという。

これらの不法入国するパレスチナ人が、テロ事件を起こすケースが増えているとみられている。

こうした中、12月26日(金)、壁を越えてイスラエルへ侵入したテロリストが、ベイト・シャン地域で、50分にわたってテロ攻撃を行い、イスラエル人2人が死亡するに至った。

Ynetより

事件は、午後12:18ごろ、ベイト・シャンでは、16歳の少年が、車に撥ねられて軽傷を負ったと警察に連絡があった。

テロリストは車から降りて、少年を刺そうとしたが、少年は無事逃げることができ、犯人は車で走り去った。

その6分後、ベトシャンで、男性が倒れていると連絡が入った。男性は、シナゴーグから歩いて帰宅途中に、テロリストの車に撥ねられたサムソン・モルデカイさん(68)で、死亡が確認された。

その6分後、また警察に、テル・ヨセフ近くの国道71号線で、女性が刺されたとの連絡が入った。女性は、アビブ・マオルさん(18)で、数カ所刺されて死亡していた。

目撃者によると、アビブさんが乗っていた車に、テロリストが車で追突し、その後、車から出てきて、車から出たアビブさんを刺そうとしたため、アビブさんが逃げたが、犯人は追いついて、何度も刺したとのこと。

その約15分後の12時45分、アフラ入り口付近で、民間人のヤコブ・バーガーさん(37)が歩いていたところ、犯人の車東が追突してきて、頭部を負傷。犯人の車は電信柱に衝突した。そばにいた民間人が、犯人に向かって発砲し、負傷させた。

容疑者は、サマリヤ北部カバティヤ出身のアフマド・アル・ロウブ(34)で、1週間ほど前にエルサレム地域で壁を突破してイスラエルに入ったとみられている。

Ynetは、事件5日前の22日(月)に、防護壁を超えてくるパレスチナ人の様子を取材していたが、それが、アフマドかどうかは不明。

しかし、アフマドは、以前から、違法入国を何度も繰り返しており、逮捕され、収監を命じられたこともあったが、数日で釈放されていた。

イスラエル軍は、テロ事件から約3時間後、西岸地区、カバティヤアフマドの実家に踏み込み、アフマドの父親を逮捕した。

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石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。