12月14日(日)に発生した、オーストラリアの首都、シドニーのボンダイ・ビーチでの銃撃テロから3日目。これまでの死者は15人。負傷者は40人以上という、10月7日のハマス襲撃を彷彿とさせるような大惨事となった。
その後の調べで、通りかかった車のドライブレコーダーから、新たに、ロシア系ユダヤ人移住者のボリス(69)とソフィア(61)ガーマン夫妻が、銃撃に向かう直前のテロリスト、サジドを止めようと飛びかかり、阻止しようとしていたことがわかった。
ボリスさんは、サジドから、いったん銃を奪ったが、サジドが別の銃で、夫妻を殺害していた。2人もヒーローとされている。しかし、夫妻の息子は、両親を一気に失ったことになる。
A video emerged from a dashcam of a passing car at the Sydney massacre showing a man attacking the armed Jihadist and disarming him.
Unfortunately this hero and his wife were murdered after this by the other Jihadist.
I have been told their names are Boris and Sofia Gurman pic.twitter.com/iDYn5n4JOx
— Documenting Israel (@DocumentIsrael) December 16, 2025
なお、テロリストは、ISに関係するサジドとアクラム・ナヴェード父息子で、父親のサジドは、現場で銃殺されたが、アクラムは負傷して生き残っている。
オーストラリア政府は、17日(水)、アクラムを59の罪で起訴すると発表した。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/bondi-gunman-charged-with-59-offenses-including-terror/
今回のテロに先立ち、オーストラリアのユダヤ人コミュニティはじめ、イスラエル政府も、オーストラリア政府に、ユダヤ人へのテロの可能性があると警告していたという。
にもかかわらず、ボンダイビーチに、ユダヤ人1000人以上が集まるハヌカのイベントを警備していた警察官は、わずか2人だった。
ユダヤ人に対するテロが、容認されたかのような流れである。オーストラリアでは、近年、反シオニズムから反ユダヤ主義が一般化しており、今後も悪化する予感しかないというのが現状である。
16日(月)夜には、シドニーのオペラハウスに、ハヌカのメノラーが灯された他、現場では追悼式も行われた。その後も現場には、多くの花が捧げられ、人々が茫然とそこに座っている。

(Photo: Kate Geraghty / POOL / AFP)
17日(水)、ボンダイ・ビーチのハバッド派シナゴーグでは、殺害された2人のラビの葬儀が行われた。
この時点では、警察と民間警備隊と、ユダヤ人自身の警備隊が、ビーチの警備にあたっているとのこと。
