大嵐バイロン被害:1人死亡14人救出・ガザも洪水で悲惨 2025.12.12

Yavneh, in central Israel, on Thursday. Credit: Israel Fire and Rescue Service

イスラエル大雨で洪水・気温低下:死亡1人

大嵐バイロンは、12月10日(水)夜から11日、12日にかけて、イスラエルにとどまり、沿岸部や中央地域で、大雨になった他、南部ネゲブ地方含め、全国的な雨となった。同時に、10度以下という急激な気温の低下も記録した。

特に降水量が多かったのは、北部アトリートで200ミリ、ハイファで150ミリ、テルアビブに近いリションレチオンで120ミリなどとなっている。

洪水の被害が著しかったヤブネでは、道路からスーパーなどが浸水。8カ所から14人が車から救出された。また、自宅で男性(53)が、低体温の兆候を呈して死亡しているのが発見された。

以下はヤブネのスーパー、ラミレビ

道路の浸水は、ナハリヤ、スデロット、レホボトでも見られた。リションレチオンでは、学校で木が倒れ、10歳前後の少女2人が軽傷を負った。エルサレムでも、洪水に巻き込まれた車から脱出して、高台に逃れた人が救出された。

南部ベエルシェバや、ミツぺ・ラモン、死海でも雨が観測された。死海地域では、北部からの鉄砲水も発生したが、国道90号線の封鎖は近い地域に限定されていたとのこと。

ピークは12日朝(日本時間午後)には過ぎると予測されている。

www.ynetnews.com/environment/article/by46bjkzwe#autoplay

www.timesofisrael.com/man-found-dead-of-suspected-hypothermia-amid-winter-storm/

ガザ避難民のテント洪水:十分な保温もできず

ガザ地区では、避難民のほとんど全員がテントに住んでいる中で、この大嵐と低気温に見舞われている。

テント村は水浸し。テントの中が水浸しで、バケツで汲み出そうとする人もいる。道路は泥水に覆われている。子供たちはサンダルを履いている。

気温も下がっているが、毛布などもまだ不十分だという。支援物資は、停戦になって以来、毎日平均600台で入っていたが、今もまだ不十分であることがわかる。

ハマスの横領もあるが、冬に入って雨が降ることをまったく考えにいれていないということである。これから寒い冬に入り、伝染病もはやってくるだろう。

この点から見ても、ガザを支配するハマスが、ガザの人々のことなど、全く気にしていないことは明らかである。

abcnews.go.com/International/wireStory/winter-storm-rips-gaza-exposing-failure-deliver-aid-128308124

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。