ガザでは、人質の解放が進み、あと一人、ラン・グヴィル軍曹の遺体が残されているだけとなった。イスラエルは、ハマスは、遺体の場所を知っているはずだとして、速やかに引き渡すよう、仲介者を通してハマスに伝えている。

こうした中、トランプ大統領が、ガザ停戦20項目に基づき、第一段階はほぼ完了したとして、2週間以内にも第二段階が始まるだろうと表明した。
ネタニヤフ首相も、ドイツのメルツ首相訪問時の共同記者会見において、まもなくハマスの武装解除という第二段階に進み、その後、ガザ全体の非過激化を進める時が来たと述べた。
それが可能であると考える理由として、第二次世界大戦後にドイツと日本などで、国家レベルの非過激化に成功したことを例として挙げていた。(当時の日本は、過激化されていたという認識である)
しかし、トランプ大統領の20項目による第二段階は、多国籍軍による国際安定化軍(ISF)によるハマスの武装解除となっており、これに合わせてイスラエル軍は撤退。パレスチナ人文民管理職によるガザ地区の管理を進めるとなっている。
ネタニヤフ首相は、国際安定化軍(ISF)が、ハマスの武装解除ができるとは思えないとの考えを表明しており、撤退する気はないとみられる。
一方、ハマスは、武装解除とガザからの離脱も考えられないと明確に拒否を表明。国際安定化軍がハマスの武装解除をすることはできないと言っている。

しかし、ドーハ(カタール)で・ガザのハマスを主導する者の一人、バセム・ナイムは、パレスチナ国家樹立に向けたプロセスの一環として、武器の凍結、または格納する用意はあると表明した。
バセル・ナイムは、この武器凍結・格納の期間として、5―10年という長期期間を上げた。
その間に、パレスチナ国家を樹立するということだが、その間、武器には触れないと言っている。
トランプ大統領の20項目は、おおさっぱであることから、双方が様々な捉え方で、それぞれの動き方をする可能性が出てくるので、ハマスがこんな自分中心の意見を出してくると思われる。
実際のところ、ガザではイエローラインが新たな国境のようになっており、それを境に、ハマスとイスラエル軍の衝突が頻発している。イスラエル軍が反撃で空爆したこともある。

また、グヴィル軍曹の遺体引き渡しも終わっていないので、家族たちは、第二段階に進むことに反対を表明している。
第二段階の議論が始まっているが、理想的な計画と現状には、大きな開きがあるように思う。
