
驚いたことに、12月2日(火)、ガザ地区中南部に位置するハンユニスで、54組の合同結婚式が行われた。
瓦礫のなかではあるが、新郎新婦とも、民族衣装の晴れ着を着ている。
花嫁は美しく化粧も完璧である。ちょっと前まで餓死とか言われていたのとあまりにも対照的である。
この結婚式は、UAE(アラブ首長国連邦)の人道支援団体の支援で実現したという。結婚式だけでなく、新しい夫婦生活のために少しの祝い金を渡したとのこと。さすが、アラブ人同士。ニーズがわかっているのだろう。
パレスチナ人の間では、結婚は大変重要な人生の節目と認識されている。
結婚すれば、次世代の子供が生まれることになる。結婚は、次世代の家族の誕生であり、パレスチナ民族の回復力の象徴とも認識されている。
大変な祝い事なので、通常の結婚式では、1日中、食べたり飲んだり、ダンスして祝うのである。それが、まる2年以上、全く誰も結婚できなかったのである。

今回の合同結婚式では、式の後、新郎新婦たちを乗せた車が、祝いに集まり、喜びに満ち溢れている群衆と、瓦礫の中をパレードしていた。
それが2年間の戦争で、まったく結婚式をすることができなかった。
新郎新婦たちは、厳しい状況の中にありながらも、「ここから新しい人生が始まる。戦争が終ことを期待する」と喜んでいる。
しかし、ガザでは、戦争で7万人近い人が死んだと言われており、ここに集まっているほとんどの人は、自宅を追われた避難民であり、家族を失った経験もしている。
花嫁の一人、エマンさんは、結婚式は、苦しみからの少しの解放の時になったが、同時に、これまでに死んでしまった両親やその他の家族がいないことの痛みの時にもなったと語っている。
「喜びと悲しみを一度に経験するのはつらい」と涙しながらも、「神によって、一歩一歩回復するでしょう」と語った。
www.timesofisrael.com/mass-wedding-in-gaza-celebrates-new-life-after-years-of-war-and-tragedy/
石のひとりごと
ハンユニスでこれほどの結婚式が行われたとは、本当に驚いた。瓦礫の中で、これほどの死者が出ているところで、日本人にはおよそありえないことではないかと思う。まさに負けない精神である。
また、10月7日の殺戮の後で、人質の遺体がまだ全員もどらないという、イスラエル人たちはこれをどう見ているのだろうかとも思う。
さらに、この翌日、ハンユニスは、イスラエル軍の空爆を受けた。ガザの人々の心はどうなっているのか。少なくとも6人が死亡したとのことだが、新郎新婦でなかったことを願う。このアップダウンに耐えられる日本人はいないのではないか。
まったく、ハマスはだれにもなんの役にもたたない、傷つけることしかしていない。自分の人生も無茶苦茶にしている。それになぜ気がつかないのかと思う。
