イスラム聖戦の人質だったドロール・オールさん(48)の遺体帰国 2025.11.27

人質家族フォーラム

ガザでイスラエルとハマスの衝突が続く中、イスラム聖戦の人質となっていた遺体一人が、ガザ市内でみつかったとハマスが発表。

11月26日夜、赤十字を通じて、イスラエル軍に引き渡した。その後の法医学検査の結果、遺体が、キブツ・べエリ住民のドロール・オールさん(48)であることが判明した。

 

ドロール・オールさんは、10月7日、自宅のキブツ・べエリで、イスラム聖戦によって殺害され、遺体はガザへ拉致されていた。

妻のヨナット・オールさんも同時に殺害されたが、遺体は残されていた。

子供2人、ノアムさん(写真左端)、アルマさん(右端)は、ガザへ拉致され、2023年11月の停戦合意の際の人質交換により、イスラエルへ帰国した。

ドロールさんは、料理学校出身で、テルアビブで料理人として働いていた。ヨナットさんと結婚後、ヨナットさんの実家であるキブツ・べエリに定住し、2009年からは、キブツの中で、料理人の経験を活かして、チーズ製造分野で働くようになった。

その後、イタリアとフランスで学んでチーズのスペシャリストとなり、キブツで、乳製品のケータリング事業の経営を担当してういた。キブツでは、チーズ職人として親しまれていた人だった。

ドロールさんの遺体が戻されたことを受けて、イスラエルは、27日、パレスチナ人15人の遺体を、赤十字を通じて、ガザへ返還した。

ここではあまり、お伝えしてこなかったが、合意に従い、ガザから人質の遺体が戻り、確かに人質であることが確認されると、代わりとして、パレスチナ人収監者遺体15人を引き渡してきている。

現時点で、残されている遺体は、2人、イスラエル人のラン・グヴィリ軍曹と、タイ人のスティサック・リンタラックさんとなった。

www.timesofisrael.com/body-of-dror-or-devoted-father-and-beeri-cheesemaker-returned-to-israel-from-gaza/

石のひとりごと

人にはそれぞれ人生があり、世界がある。それを破壊しつくしてしまう、改めて、殺人の罪深さを感じた。

あと2人の遺体が、絶対に帰ってくるように祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。