GHF(ガザ人道財団)活動終了と発表 2025.11.27

「ガザ人道財団(GHF)」が配給した食料が入った箱を運ぶ人たち(パレスチナ・ガザ地区、8月)BBC

ガザでの停戦から1ヶ月をすぎた今、ガザで食料配布を行なっていた、GHF(ガザ人道財団)がその活動の終了を発表した。

GHFは、ガザでの戦争が続く中、国連によるガザへの支援物資搬入が、ハマスの強奪などで市民に効果的に届いていないことを受け、、国連が関与しない(つまりはハマスが関与しない)方法で、ガザでイスラエル軍が治安維持を図っている地域の4か所に、独自の支援物資配布センターを設立。ガザ市民に物資を取りに来てもらう様式での支援活動を開始した。

しかし、この方式では、人々が遠くの配布所まで、歩かなければならないことや、ハマスの妨害で、道中でイスラエル軍と衝突が発生した他、配布センター周辺でも衝突が起きて、多くの人が死亡したため、国際社会では物議となった。国連を通していなかったことで、国連からも不満が続いた。

GHFは、資金不足もあり、9月ぐらいから、支援は徐々に縮小されていたようである。停戦以後の国際社会による、ガザ復興計画にGHFは含まれていなかった。

こうした中、11月24日(月)、GHFは、正式に5ヶ月の任務を終え、CMCCにその任務を引き継ぐと発表した。

GHFが、この5ヶ月の間に配布した食料は1億8700万食。当初計画していた16カ所での配布計画は実現しなかったが、緊急事態には対処できたのであり、失敗した点も次に活かせるとして、GHFは活動が果たすべき任務を果たし終えたとしている。

なお、停戦になっている今では、1日平均800台分の支援物資がガザに搬入されている。相変わらずハマスなどによる強奪は発生しているが、ガザ市民への物資配布は十分になっていると推測されている。(ハマスの横領や、高価で販売するなどの問題は今も続いている)

www.timesofisrael.com/gaza-humanitarian-foundation-announces-end-of-operations-in-strip-after-5-months/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。