ラファの地下トンネルから出てくるハマスと戦闘・投降も:週末に21人死亡とハマス 2025.11.24

Smoke rises following an Israeli military bombardment east of Nuseirat, as seen from the central Gaza Strip, on November 21, 2025. (AP Photo/Abdel Kareem Hana)

ガザについては、10月10日に停戦となり、イスラエル軍は、イエローラインまで撤退した。以後、その範囲内にまだいるハマスやそのインフラの破壊を行っている。

以下は、ガザ北部、ベイト・ハヌーンの地下で発見された、7キロに及ぶハマスの地下トンネルの全貌。

一方、ハマスは、停戦後に物資搬入が、1日600〜800台以上で再開されたことを受け、イスラエル軍が撤退した、イエローラインより海岸側の地域で、勢力を強化しているとみられている。

しかし、イエローラインからイスラエル軍側に出てきて攻撃してくるケースもあり、これまでにイスラエル兵3人が死亡している。

その度に、イスラエル軍と衝突になり、ハマスによると、これまでに、300人以上が死亡したと主張している(戦闘員と民間人の区別なし)

ガザ南部ラファでは、イエローラインよりイスラエル側、イスラエル軍が駐留している、その足元の地下トンネルに、ハマス200人が立ち往生になっていた。

そこから戦闘員が出てきて、イスラエル軍と衝突するケースが増えている。以下はラファのトンネルから出てくるハマスの様子。

Gaza’s Rafah on November 21, 2025. (Israel Defense Forces)

Times of Israelによると、この週末も、ラファの別々の位置にある2つのトンネルから、ハマス15人が出てきて、5人が投降して身柄を拘束され、6人はイスラエル軍を攻撃して逆に射殺された。ハマスは21人が死亡したと主張している。

www.timesofisrael.com/idf-troops-killed-6-hamas-operatives-who-emerged-from-rafah-tunnels-nabbed-another-5/

こうした状況の中、国連安保理は、先週11月17日(月)、ハマスの武装解除を含むトランプ大統領のガザ和平案20項目を可決して、正式な国際社会の方針と位置づけたが、ハマスは、武装解除を拒否する声明を出した。

11月22日(土)には、ウィトコフ米特使に、停戦の崩壊を警告していた。

www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-874788

ハマス指導者たちは今、カイロに集まり、トランプ大統領案の第二段階についての検討を行っている。

なお、ガザには、まだ3人の遺体が残されている。ややこしいことに、今、ラファのイエローラインのイスラエル側で、ハマスが遺体の捜索を行っている。

こちらはイスラエルとの協力体制があるもようである。

しかし、ネタニヤフ首相は、11月23日(日)、あくまでもハマスとヒズボラに対する攻撃はやめないと表明している。

石のひとりごと

国際社会は停戦と和平を望んでいるのだが、ハマスがイスラエル崩壊を諦めることはないし、イスラエルが、そのハマスを信用することもない。対立は延々と続くとしかみえない。。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。