ガリラヤ湖の水位は、現在、海面下213.33メートルで、危険レベルからわずか13センチ上という危機的水位になっている。
少し前になるが、10月23日、イスラエルの水道局は、水不足傾向が続くガリラヤ湖に、静かに淡水化した海水の注入を開始していた。
これにより、水位は、0.5センチ上昇した。今後毎月0.5センチ上昇させる計画とのこと。
淡水化した水は、ツァルモン川から注入され、ガリラヤ湖から北西4キロ地点にある、干上がっていた、エイン・ラピードの湧水に流し込んで、湧水を復活させて、ガリラヤ湖に流れ込むようになっている。
注入パイプは2本あるところ、現時点はまだ1本しか使われていない。必要に応じて注入量を増やせる形になっている。
しかし、淡水化したとはいえ、淡水湖に海水を注入するのは、文字通り世界で最初である。このことで、ガリラヤ湖の塩分量が減り、そこから死海へ流れる水の変化により、生態系に影響を与えるのではないかとの懸念もあった。しかし、科学者の実験により、その心配はないとの判断になったとのこと。
このプロジェクトは、2013年と2018年に、ガリラヤ湖が深刻な水不足に陥ったことで、飲料水にも危機が及んだため、開発が急がれた。
イスラエルではすでに、人が飲料水として利用できるまで、海水を淡水化することに成功している。空気から水を生成するスタートアップ社も登場している。
なお、イスラエルでは、来年の降水量は、通年に80%と推測しており、2万ドュナムの農業地で水が不足すると予想されている。こうした技術が活躍することになる。
