ハリケーン被害のジャマイカでイスラエル緊急支援団体イスラエイドなど活躍中 2025.11.4

Members of Rabbi Yaakov Raskin’s family at the Chabad of Jamaica unload a plane full of humanitarian supplies sent to help after Hurricane Melissa struck the island nation in October 2025 (Chabad of Jamaica)

ジャマイカでカテゴリー5のハリケーン

Satellite image showing Hurricane Melissa, on Tuesday. NOAA/AP

先週10月29日(水)、大雨を伴う暴風82m/秒で、カテゴリー5と最強レベルのハリケーン・メリッサが、中南米、カリブ海のジャマイカを直撃した。

これまでに、ジャマイカでは28人。その隣のハイチでは31人の死亡が確認されている。

5日経った今も、ジャマイカでは、国土の70%で停電が続き、6000人が避難所にいる。ジャマイカには、当時、ユダヤ人が約360人おり、200人がジャマイカに永住している人だった。

ユダヤ人旅行者は、常に1000人来ているという。2011年からジャマイカに常駐するユダヤ教正統派のハバッド派ラビ・ラスキンが、対処にあたっている。

ユダヤ人たちの間で、このハリケーンによる死傷者は出なかったが、家を吹き飛ばされるなどの被災者は出ており、2日間何も食べてない人もいた。さすがハバッド派である。すでに100万ドルの支援を計上し、16万ドルがすでに集まっているとのこと。

このジャマイカに、イスラエルの主要な独立人道支援組織、イスラエイド(IsraAID)が、ハリケーンが通過直後に、隊員6人を派遣した。特に緊急のニーズである水問題や、衛生に焦点をあてた支援を開始するとのこと。

ジャマイカでは、ハリケーンは初めてのことではなく、何度も被災しているため、イスラエイドは、地元にオフィスを持っている。すでにかなりの専門的な対処法を習得済みとのことである。災害発生1日後には、すでにコシェルの食料なども届く手筈になっている。

イスラエイドは、2001年に設立。これまでに、65カ国以上で100以上の人道的緊急事態に対応してきた緊急支援プロフェッショナルである。物質的支援だけでなく、初期からメンタルヘルスにも対処している。

イスラエルの緊急支援にあたるもう一つの組織、スマートエイド(SmartAID)も活動を開始している。こちらは、最も被害を受けた地域に太陽光発電システム、モバイル通信ユニット、および浄水技術を配備しているとのこと。

www.timesofisrael.com/jewish-and-israeli-groups-rush-to-provide-aid-to-hurricane-ravaged-jamaica/

石のひとりごと

母国は戦争中なのに、イスラエルは海外のユダヤ人をも早急に助けている。ハバッド派は、ユダヤ人がいるところなら、どこにでも行って、支援活動を行なっている。日本にもいる。

イスラエルは、これほどに地球全体をカバーするほどあちこちにいるユダヤ人の国である。その大きさは、あの小さなイスラエルだけにとどまっていない。

世界中で流浪させられた結果だが、それを通して、イスラエルは、まさに世界規模の国になった。非常に多様な中、裕福な人もおり、助け合いの意識、特に献金の意識も高い。

ハマスはもとより、誰も、どの国も、この国をあなどることなどできないと実感する。

それは、彼ら自身がすばらしいというより、その背後におられる主が大きいということを示していると思う。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。