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9日ぶりにハマスが人質遺体2人を引き渡し
ガザに残っている人質があと13人となってから、ハマスは遺体を返還できていなかった。
10月27日(月)になり、新たな遺体だとして返還してきた。しかし、それは、2023年12月にイスラエル軍自身が発見していた、人質オフィル・ツァルファティさんの遺体の一部であった。また、ハマスが、この遺体の一部を、埋めた後、赤十字にあたかも今発見したかのような工作までしていた。
加えて、ハマスの攻撃で、これまでにイスラエル兵3人が死亡したこともあり、イスラエルはハマスの合意違反だとして、ガザ市への激しい空爆を実施した。
これで停戦崩壊かとも懸念されたが、ネタニヤフ首相は、その後、停戦は維持すると表明した。
こうした中、ハマスは、最後に遺体を返還してから9日目にあたる10月30日(木)、ようやく人質2人の遺体を返還すると発表。赤十字に引き渡した。
精査の結果、2人は、アミラム・クーパーさん(84)と、サハル・バルーフ(25)であることがわかった。
アミラムさんは、キブツ・ニール・オズの自宅から、妻のヌリットさんや、他のキブツメンバーとともに拉致されていた。ヌリットさんは、2023年10月23日に解放されたが、アミラムさんは残された。
ハマスは、2024年3月に、アミラムさんとその友2人がイスラエル軍による攻撃で死亡したと主張するクリップを家族に送りつけていた。イスラエル軍は、その2ヶ月後の6月、他の2人とともに、アミラムさんの死亡を確認していた。
84歳という高齢で、5ヶ月近く、囚われ状態でサバイバルしていたということである。アミラムさんは、経済学者であると同時に、詩人であり作家として出版もしていた。絵本も出すアーティストだった。
キブツ・ニール・オズからは、76人がハマスに拉致されていた。アミラムさんは、帰国する最後の1人だった。
サハルさんは、ベン・グリオン大学の工学部学生で、キブツ・べエリで、祖母のゲウラさんと、兄で、イスラエル軍教育部隊隊員のイダン・バルーフさん(20)と一緒にいた時にハマスの襲撃に遭っていた。
3人がいた家は燃やされ、喘息持ちのイダンさんは、苦しみで家を出た時に銃殺された。サハルさんは、イダンさんの吸入器を取りに家に入った際に、ハマスに拘束された。祖母はこの時殺された。
拉致されたサハルさんは、2023年12月に行われた、イスラエル軍による人質奪回作戦(失敗)の際に死亡したとみられていた。
これで残りの遺体は11人となった。イスラエル軍は、ハマスの遺体捜索を、イスラエル軍支配域でも行わせていると伝えられている。
本日、赤十字は、ガザから3人の遺体の一部とみられるものを引き渡されたと言っており、調査がすすめられることになる。
ガザの緊張続く:イスラエル支配域?ガザ市民4人死亡

ガザでは一応の停戦状態にあるが、緊張は続いている。
10月31日(金)、イスラエル軍が駐留を認められているイエローラインを挟んでの衝突があり、イスラエル軍が発砲。ガザ各地で、4人が死亡したとハマス関係メディアが報じた。
1人はジャバリヤキャンプ、2人は、ガザ市内2ヶ所で、1人はハンユニスでと主張している。
Times of Israelによると、イエローラインは制定されたものの、まだ明確な制定にはなっておらず、まだイスラエル側にいるハマス戦闘員がいる場合もあるとみられている。
そのため、イスラエル軍領域から出て行こうとしない者との銃撃になったり、近づいてきて危険度が高まったとして、銃撃するケースもあるとのこと。
ガザは、一触即発といえそうである。
